今日の為替ウォーキング
今日の一言
あらゆる創作行為は、まず何よりも破壊行為である - パブロ・ピカソ
Virtual Insanity
ドル一強時代の終わり
ドル天下の時代FOMC(米連邦公開市場委員会)は2月の会合で、2022年3月から数えて連続8回目となる利上げを決定した。1年前には0.25%だったFF金利は4.75%まで引き上げられた。それでも、パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長は「金利高はさらに高くなるべき」だとの強気姿勢を崩していない。
しかし、マーケットはリーマンショック以後最大級となるFRBの金融引き締めをほぼ完全に織り込んでしまった。CPI(消費者物価指数)の上昇が峠を越えた兆しが見えるなかで、FRBの金融政策に関しては、これ以上の強気材料は出てこない、とマーケットは考えている。
つまり、金利差拡大を背景としたドル高は、ほぼピークをつけた可能性がある。これからはドル高の勢いは弱くなるだけだ。「ドル安」トレンドに切り替わると予想するのはまだ早いが、これまで出遅れていた、米国以外地域の金利が上昇するわずかサインでもドル売りを誘発するのに十分だ。
2022年は、経済の強さでも金利においても「ドル一択」だった。2023年は、パフォーマンスが上限近くに達しているドルを減らして、他通貨に振り分ける動きの活発化が期待される。