今日のレンジ予測

[本日のドル/円]

上値メドは132.55

下値メドは129.95

円:円を買ってアジア通貨を売る、「逆円キャリー」が流行の兆し
電気自動車:欧州の自動車産業、中国EVメーカーの価格攻勢で苦境に
米インフレ:ブラード連銀総裁「投資家はインフレ下落を過信してはいけない」
米債務上限問題:米財務省が債務不履行をすることは、システム的不可能になっている
円:日銀利上げは、「もし」から「いつ」のステージに

 個人投資家は、先月末の時点では、多数が円高見通しを持っていたことがわかった。
楽天証券がドル/円相場の先行きについて個人投資家にアンケート調査を実施したところ、2月は「円高/ドル安」との見方が全体の67%を占めた。

 円安見通しから円高見通しを引いたDIは-34で、前月に比べて6ポイント減少した。2023年のドル/円の安値は1月16日の127.21円、高値は1月6日の134.77円だった。高値と安値の50%(半値)は131.00円。

 ユーロ/円相場は、2月は「円高/ユーロ安」との見方が全体の62%を占めた。DIは-24で、前月に比べ16ポイント減少。2023年のユーロ/円の安値は1月3日の137.39円、高値は1月11日につけた142.85円。高値と安値の50%(半値)は140.12円。

2月の豪ドル/円相場は「円高/豪ドル安」との見方が全体の58%を占めた。DIは-16で円高見通しは前月に比べて18ポイント減少。2023年の豪ドル/円の安値は1月3日の87.41円、高値は1月26日につけた92.81円。高値と安値の50%(半値)は90.11円。

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成

 RBA(豪準備銀行)は7日に行われた2023年最初の会合において0.25%の利上げを決定し、政策金利3.35%に引き上げた。RBAは昨年12月にも0.25%の利上げを実施している。

 利上げは想定内だったが、RBAの声明文はサプライズとして受け取られた。マーケットはRBAの利上げサイクルが終了間近と考えていたのだが、声明文では「今後も一段の利上げが必要である」とタカ派的だったからだ。

 RBAは3月と5月にそれぞれ利上げしてサイクル終了と考えられていた。しかし声明文を受けて4月にも追加利上げするとの予想が増えている。

 中国は、ゼロコロナ政策を完全放棄して経済を本格的に再開した。すでに航空機のジェット燃料が急上昇を始めている。今年後半には中国発の世界的インフレが発生するとの見方がある。貿易関係の深い豪にとっては追い風であるが、RBAとしては、その前にインフレを抑制する強い必要を感じているのだろう。

レジスタンス:
91.55円(02/08)
91.60円(200時間移動平均)
91.94円(02/07)
96.41円(22/09/22)

サポート:
90.92円(02/08)
90.72円(02/07)
90.35円(02/03)
90.07円(01/23)

主要指標 終値

出所:楽天証券作成

今日の為替ウォーキング

今日の一言

あらゆる創作行為は、まず何よりも破壊行為である - パブロ・ピカソ

Virtual Insanity

ドル一強時代の終わり

 ドル天下の時代FOMC(米連邦公開市場委員会)は2月の会合で、2022年3月から数えて連続8回目となる利上げを決定した。1年前には0.25%だったFF金利は4.75%まで引き上げられた。それでも、パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長は「金利高はさらに高くなるべき」だとの強気姿勢を崩していない。

 しかし、マーケットはリーマンショック以後最大級となるFRBの金融引き締めをほぼ完全に織り込んでしまった。CPI(消費者物価指数)の上昇が峠を越えた兆しが見えるなかで、FRBの金融政策に関しては、これ以上の強気材料は出てこない、とマーケットは考えている。

 つまり、金利差拡大を背景としたドル高は、ほぼピークをつけた可能性がある。これからはドル高の勢いは弱くなるだけだ。「ドル安」トレンドに切り替わると予想するのはまだ早いが、これまで出遅れていた、米国以外地域の金利が上昇するわずかサインでもドル売りを誘発するのに十分だ。

 2022年は、経済の強さでも金利においても「ドル一択」だった。2023年は、パフォーマンスが上限近くに達しているドルを減らして、他通貨に振り分ける動きの活発化が期待される。

 

今週の 注目経済指標

出所:楽天証券作成

重要ブレークアウトレベル(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円)

出所:楽天証券作成

2023年 豪ドル/円データ