今日の為替ウォーキング

今日の一言

想像力のない奴に、翼は持てない -モハメド・アリ

As Long As You Love Me

 最近の相場は、雇用統計よりもCPIの数字に強く反応する。しかし、FRB(米連邦準備制度理事会)の政策決定においては、雇用市場がCPIインフレ率よりもウェイトが大きい。パウエルFRB議長は、「CPIが下がったという理由だけで利下げはしない」と明言している。

 米国の求人件数は、最新JOLT(求人労働移動調査)によると、予想を上回り1045.8万件となった(その前月は1033.4万件)。

 求人倍率は、失業率比では高いのだが、就業者比ではそれほど高いわけではない。求人数が増加しているのは、求人総数の増加によるものではなく、転職者の増加を反映しているだけで、好景気時におけるようなネットベースでの雇用創出は起きていない可能性がある。労働市場は「逼迫」しているというよりも「流動化」しているのである。

 実質賃金のマイナスが、長期間解消されないこともこれで説明できる。もし労働市場が本当に人手不足になっているならば、実質賃金はプラスになるはずだ。

 求人件数が多くなっている理由に、広告のオンライン化がある。料金を成功報酬にするケースも増えているため、会社は低いコストで多くの広告を出せるようになったのだ。それが必要以上に求人広告が多くなっている面もある。

今週の 注目経済指標

出所:楽天証券作成