皆さま、こんにちは。
1月22日は中国の旧正月「春節」です。Happy Lunar New Year!
日本では新暦(太陽の運行に沿って日数を数える「太陽暦」)で正月を祝いますが、太陰暦(中国暦)を使っていた中華圏や、華人や華僑の多い国・地域では旧暦(月の満ち欠けに沿った日付と太陽の運行を組み合わせた「太陰太陽暦」)の正月を重視して祝っています。
新暦においては1年が365日で、正月が毎年同じ日に行われますが、旧暦においては1年が354日であるため、正月の日が異なります。
皆さまぜひ異文化にも目をむけてみましょう!
にぎやかな「中国春節」が4年ぶりに復活!
ついに4年ぶりに行動制限のない春節休暇を迎えました。春節は家族で過ごす大切な日であるため、「人類最大規模の人の移動」と呼ばれる中国全土にわたる「春運」が再び現れました!
中国当局の発表によると、今年の「春運」期間の前半である1月7~21日までの15日間に、鉄道・道路交通・水運・民間航空を利用して移動した人の数は前年同期比46.2%増の3億8,700万人に達しました。また、全国の鉄道が輸送した旅客数も前年同期比27.3%増の1億1,000万人(1日平均約730万人)となり、2019年同時期の76%まで回復しました。
鉄道利用客数が特に多い北京、上海、広州の3都市は1日平均997本、夜行の直通高速列車は1日最大492本が運行され、いずれも前年同期比で大幅に増加しました。
新型コロナウイルス感染拡大の予防・抑制対策として、各駅や列車内ではトイレや洗面台、エスカレーターの手すり、座席などの消毒や換気を強化し、定期的なモニタリングを実施しています。
中国では春節時期になると、町中の道路や建物に赤い灯籠や干支(えと)模様のちょうちんといった飾りが取り付けられ、まるでランタン祭りで、各地が赤一色に染まります。
大みそかの夜は家族全員が集まり、伝統料理が並んだ食卓を囲み、食事を楽しみながら、日本でいう紅白歌合戦のような特別番組をみます。また、食後には目下の人や子どもに「紅包(ホンハオ)」(日本でいうお年玉)を渡す風習もあります。
私の子供時代には、大みそかの夜に爆竹や花火の打ち上げを楽しむことが定番だった春節文化ですが、近年では大気汚染を考慮するため、上海や北京などの主要都市の中心部で行うことが禁じられています。
日本の横浜や神戸の中華街など世界各地のチャイナタウンでは、爆竹や太鼓の音が鳴り響く中、中国伝統の獅子舞が披露されるなど人々が新年を祝いました。
一人っ子政策撤廃でも人口「減少」の背景は?
中国国家統計局は1月17日に、2022年末の総人口が2021年末と比べて85万人減の14億1,175万人だったと発表し、61年ぶりの人口減少となりました。
また、2022年の出生数は、1949年建国以降初めて1,000万人を下回る956万人となり、前年から106万人減少し、6年連続で前年を下回りました。中国は本当に人口減少社会に突入したのでしょうか。
中国当局は10年に1度、国勢調査を行います。2000年、2010年および2020年に実施した3回調査結果において、60歳以上の人口が総人口に占める割合はそれぞれ10.33%、13.26%、18.70%となり、2000年ごろからすでに高齢化社会に突入しました。
少子高齢化が進んでいることに気付いた中国政府は、30年間以上実施してきた「一人っ子政策」を撤廃し、少子化を食い止めるために、2016年から全ての夫婦に2人目の出産を認めることや2021年から第3子までの出産を容認し、育児コストの負担軽減など出産奨励策を導入したものの、少子化の歯止めにはなりませんでした。
出生率が下がっている原因として、男女出生比率の不均衡や、晩婚化が進んでいることが挙げられますが、2人目以上を望まない最大の理由は教育をはじめとする子どもの養育費が高騰し続けていることで経済的不安に陥っているためと推測されています。
上海では、中国最速のペースで少子高齢化が進んでおり、人口自然増加率は全国最低だといわれています。労働力不足、社会保障制度破たんの懸念が強まる中、「二人っ子」政策への緩やかな転換は必然の流れと言えるでしょう。
しかし、今回の2022年末に起きた中国人口減少の原因は、おそらく出生率低迷だけではなく、12月のゼロコロナ政策緩和後に生じた感染拡大の影響で、高齢者や持病者などの死亡者数は例年より大幅増加したことにあるのではないかとの見方もあります。