今日の為替ウォーキング

今日の一言

「私は天才ではない。ただ人より長く一つのことと付き合ってきただけです。」-アインシュタイン

Cause We’ve Ended As Lovers

 日銀のYCC(イールドカーブ・コントロール)政策はすでに崩壊している。

 YCCとは、長期金利の誘導水準を定め、その水準になるよう国債買入れを実施することだ。日銀は今から約7年前の2016年に、QE(量的緩和)からYCCに金融政策を転換した。

 先週1月13日の国内債券市場において、長期金利の指標となる新発10年物国債利回りが上昇(価格は下落)して一時0.545%と、日銀が上限と定める「0.5%程度」を上回ったために、5兆円の国債を購入した。その前日の12日は4.6兆円を購入した。先月、9兆円に増額した1カ月の国債購入予定額をわずか2日で超えてしまったのだ。

 それだけ大量の国債を買い入れても、利回りは0.5%に張りついている。レンジ内に収まったからといってYCCが機能しているわけではない。日銀の10年債利回りの誘導目標は0.0%なのだ。0.5%というのは「上限」である。その水準も守れないということは、日銀は負け戦を戦っていることになる。

 日銀はどうするのか?YCCを放棄してしまうのか、それともYCCは継続するがレンジ幅を大幅に広げて形骸化するのか。あるいは、レポ市場の国債を借りるチャージを大幅に引き上げることによって国債空売りを制限するのか。

今週の 注目経済指標

出所:楽天証券作成