今日の為替ウォーキング

今日の一言

失敗したのではない。何千種類ものうまくいかない方法を発見したのだ – エジソン

Wonderful Christmastime

 ウクライナ戦争が加速させたエネルギー価格の上昇は、世界に価格上昇と成長デフレを同時に発生させた。先進国の中央銀行はみな、FRB(米連邦準備制度理事会)もECB(欧州中央銀行)も、そして日銀もインフレ抑制か成長促進かという、相反する政策の選択を迫られている。

 労働コストの上昇と物価高を懸念するなら、中央銀行は利上げを続け、過熱しすぎた景気を冷やして経済成長をトレンド以下に抑える必要がある。逆に、新型コロナによる需要の変化が経済成長を鈍化させ、失業率を上昇させることを心配するならば、中央銀行はより慎重な引き締めを行う必要がある。

 日銀はインフレ上昇に目をつぶり、経済の下支えを最優先に考えて、緩和政策の継続を決定した。日銀は、我が国の経済が新型コロナ禍からまだ立ち直っていないと判断し、必要ならば「躊躇なく追加緩和」する姿勢を貫いてきた。

 しかし、日銀の量的緩和は、金融部門がほぼすべてを吸収し、実体経済の支援にはほとんど役立っていないのが実情だ。マイナス金利が長く続くほど、銀行の収益性と貸出活動の両方が低下することは、これまでの調査で明らかになっている。日銀はマイナス金利によって、銀行の貸出を増やし経済を活性化させようとしてきた。しかしマイナス金利下での貸出増加は最初の1年間だけで、その後2年間は貸出が減少し、当初の増加分を取り返す以上に減少するという結果がでている。

 日本銀行は20日の金融政策決定会合で、YCC(イールドカーブ・コントロール)の上下変動許容幅を拡大したが、日銀はこの決定を「利上げではない」と主張している。

今週の 注目経済指標

出所:楽天証券作成