今週の予想

当面は足元の円高を織り込みながらの動き。荒い相場となる可能性も

 先週は、円高基調の中で25日移動平均線(8日時点2万7,894円)を切ったことで目先、調整入りのシナリオの可能性を指摘しました。

 結果的には、8日(木)に2万7,415円と75日移動平均線(8日時点2万7,584円)を一時、下回りましたが、週末の9日(金)は、+326円の2万7,901円と先物主導で反発しました。メジャーSQ(特別清算指数)が終了して需給関係がすっきりしたための上昇のようにみえます。

 今週は、米国では13日のCPI(消費者物価指数)と13~14日のFOMC(米連邦公開市場委員会)、15日には中国で11月の鉱工業生産など経済統計が発表されます。

 ECB(欧州中央銀行)理事会も予定されており、内容によって強弱感が対立して荒い相場となる可能性もあります。下値では週足チャートの、13週線、26週線、52週線が2万7,400円近辺に集まっているため、この水準から切り返してもおかしくありません。

 先週末の金曜の反発はそれを示しており、チャートはいったん25日移動平均線を割り込んで要注意となっていますが、相場の流れを上に戻すためには、11月24日の高値2万8,502円を終値で上回る必要があります。

 それを確認するまでは、戻り売りが続くことになります。下値は8日の安値2万7,415円となります。

 そうなると、しばらくは2万7,500~2万8,400円のレンジの中の動きとなります。この動きの中では、12月中旬以降は、個人投資家の節税対策売りや損失確定売りが出やすく、大きく膨らんでいる信用買い残も気になるところです。

今週の指標:日経平均株価

 先週末は、急速な円高となっており、これまで円安を前提に輸出関連株が買われ相場の上昇を支えてきました。当面は足元の円高を織り込みながらの動きとなりそうです。また米景気減速懸念が強まっており、経済指標が注目となります。

 日経平均株価の目先の下限は週足の移動平均線が集中している2万7,400円水準となります。ただし、25日移動平均線(2万7,800円水準)を切って引けましたので注意が必要です。

先週の動き

 週半ばまでは、中国のコロナ感染拡大や抗議活動の活発化を受け、28日(月)は▲120円、29日(火)は▲134円、30日(水)は▲58円の2万7,968円と前週末から4日続落となりました。

 12月1日(木)は、前日のダウ工業株30種平均の利上げ幅縮小見通しから+737ドルの大幅上昇となったことで、日経平均も一時+454円の2万8,423円まで上昇し、終値は+257円の2万8,226円でした。

 しかし週末は、NYダウ安と急速な円高を受け、▲563円の2万7,662円まで下げ、終値は▲448円の2万7,777円でした。先週は2万7,800~2万8,600円のレンジを想定していましたが、下限を切って引けました。