今週の予想

今後は、FRBの利上げスピードの縮小が高まり、長期金利が低下すれば日経平均は11~12月は上昇へ

 先週の日経平均株価は、米国株式の上昇にかかわらず、26日(水)には、一時10月6日の高値2万7,399円を突破して、2万7,578円まで上昇したものの、終値では2万7,500円を超えることができず、週末の28日(金)には一時2万7,000円を割り込んで終値は▲240円の2万7,105円となりました。

 この動きをみる限り、今週は2万7,000円水準でのもみあいが想定されるところでしたが、この日の引け後の米国市場でアップル、インテルが予想を上回る好決算となり、ハイテク株中心に上昇して、ダウ工業株30種平均は+828ドルの3万2,861ドルと6日続伸となりました。

 シカゴの日経先物は+495円の2万7,505円となっていますので、2万7,500円水準を明確に超えるかどうかとなります。

 今週は、先週末のNYダウが+828ドルと6日続伸後の動きが、今週の日米株式にどう影響するかをみるところです。27日(木)の米国株式は12月のFOMC(米連邦公開市場委員会)での利上げの上げ幅縮小観測を織り込んできているとし、企業業績も景気減速を示唆しているとして、この日のメタ・プラットフォームズとアマゾンの決算不調を成長鈍化としました。

 ところが、翌日はアップル、インテルの好決算を受け、NYダウは大幅続伸となりました。日経先物は2万7,505円となっています。

 ここで考えられることは、NYダウの目先3万3,300ドル水準が上値のフシとする位置にあるため、NYダウはここから上値が重くなり、そうなると日経平均が割安株として買われてくるかどうかとなります。

 今週は、2万7,500円水準にある75日移動平均線や52週移動平均線をぬき、13週移動平均線(2万7,600円台)をぬければ、日経平均のチャートは上放れが明確になります。そうなると10月3日の安値2万5,621円が当面の下値になった可能性がでてきます。

 チャートでは、期日や変化日が重なった安値から切り返して来ており、11~12月に上昇基調を強めることも想定されます。カギを握るのはFOMCでの利上げピッチの現実的な縮小と10年債利回りの低下となります。

今週の指標:日経平均株価

 日経平均は、先週末の米国株式の大幅高を受け、2万7,500円水準でもみあったあと2万7,600円を終値で上にぬけていけば、まずは2万8,000円水準を目指すことになります。

 これによって10月3日の2万5,621円が下値として確認することになり、上昇幅はFRB(米連邦準備制度理事会)の利上げスピードの縮小や10年債利回りの低下が実現すれば日経平均は戻りを試すことになります。

先週の動き

 先週は、日本でも7-9月期決算が本格化してくるため、円安一服をキッカケに業績相場に移行できるかがポイントとし、予想レンジを2万6,700~2万7,600円としました。

 前週、NYダウは上放れしているため、日経平均も先週は10月6日の2万7,399円を突破する可能性があるとしました。ただし、上限は限定的としています。

 先週は、週始めは一時+418円の2万7,308円まで上昇し、+84円の2万6,974円のスタートとなりました。

 その後、26日(水)には前場に+328円の2万7,578円と5週ぶりに2万7,500円を回復しましたが、終値では2万7,500円を維持できず、その後、27日(木)は▲86円の2万7,345円、週末28日(金)は、一時▲364円の2万6,981円と2万7,000円を割り込みましたが、その後、買い戻しで▲79円の2万7,265円まで下げ幅を縮小しましたが、再度、ハンセン株の下げもあり軟調となって▲240円の2万7,105円で引けました。

 週末28日(金)のNYダウの終値は6日続伸の+828ドルの3万2,861ドルで終わり、シカゴの日経先物は+495円の2万7,505円となっていました。