※この記事は2022年10月8日に掲載されたものです。

「リスク/リターン」とは?

 金融商品には必ず、「リスク」と「リターン」があります。

 リターンとは、お金を運用した結果、得られる利益や損失のことをいいます。利益だけでなく、損失も「リターン」と言います。

 リスクとは、リターンの不確実性の大きさや、振れ幅の大きさのことをいいます。

 投資でリターンを求めるのであれば、リターンに比例したリスクも伴います。ローリスク・ハイリターンな投資や金融商品はありません。

 例えば、株式は、株価が日々変動していて得られる収益は多いですが、損をしてしまうこともあり、リスクの振れ幅が大きい金融商品の一つです。

 預金は、リスクの振れ幅は小さく比較的安全ではありますが、その分、得られる収益は少なくなります。

リスクの振れ幅

資料:金融庁 第4章:「貯める・増やす」(本編)よりトウシル編集チーム制作

 投資で大きな損失を避けるためには何に気をつけるべきでしょうか?

 リスク管理には四つの観点があげられます。

分散投資

 資金を一つの種類に集中して投資してしまうと、下落したときに大きな損をする可能性があります。そうならないために複数の金融商品に分散して投資しておくことで、そのうちのどれか一つが下落しても損失は多少抑えられます。

長期保有

 金融市場では、いろいろな条件により、短期的に大きく価格や投資環境が変動することがあります。ですが長期的な目線でみると、その変動がならされて、数年後には回復するなど、リターンが安定する傾向があります。

余剰資金で運用

 もしハイリスクまたはハイリターンな金融商品の購入を考えている場合は、余剰資金で運用するようにしましょう。余剰資金とは、自分がいま持っている手持ちのお金の中で生活費や非常時に必要なお金を差し引いた、当面使う予定のない資金のことです。また、投資は少額から始めることが大切ともいわれています。

時間の分散

 一度に大金をまとめて投資するのではなく、投資する時期を分散させることも有効な手段の一つです。金融市場は日々変動しているため、いつ値上がり・値下がりするかは分かりません。投資するタイミングをずらすことでリスクを抑えることができるでしょう。

 金融商品は、誰かの意見をうのみにしたり、人に勧められるままに購入するのではなく、自分の意志で選びましょう。よって、利益や損失は全て自己責任となります。

 将来の資産形成のために、まずは、自分のお金は自分で管理し、増やす責任を持つようにすることが重要です。