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ETFを使った個人資産運用~補足~
山崎 元
ホンネの投資教室
楽天証券経済研究所客員研究員の山崎元の提供レポートです。経済やマーケット、株式投資、資産運用のノウハウと考え方など幅広い情報提供をおこなってまいります。資産運用の参考にお役立てく…

ETFを使った個人資産運用~補足~

2008/2/15
楽天証券経済研究所客員研究員として活躍する経済評論家・山崎元による「ホンネの投資教室」。お客様の投資のヒントにお役立てください。
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前回、内外の代表的な株価指数を構成する株式に投資する二つのETFを使って、リスク資産部分を運用すれば、プロの機関投資並みの資産運用が簡単且つ安価に(ここが肝心!)できると紹介した。

別のETFを使ったり、個別銘柄への投資を使ったりしても、上記のポートフォリオに勝る運用成績が得られるとは限らないのだが、「二種類のETFにだけ投資するのでは退屈だ」という方もいらっしゃるかもしれない。

そこで、今回は、幾つかの主に海外株式に投資するETFを、特に外国株運用部分に使うとどんなリスク特性になるかについて基礎的なデータをご紹介する。

個々のETFのリスク

前回と異なり、今回は、過去3年のデータでリスクのデータ(標準偏差と相関係数)を推定してみることにした。運用の論理では、あくまでも「将来のリスク」が得られたとして資産選択を行う。この「将来のリスク」の推定に使うデータを、いつの期間のものを利用して推定すべきかについては個々の投資家に委ねられており、何年がいいとか、長い方がいいといった、決定的なセオリーはない。要は、分析者が何年を適切と思うかにかかっている。

大まかに言うと、時間が経っても市場の構造・環境が変わらないと考えるなら長い期間のデータを採る方がサンプル数が増えるのでより正確な推定ができると期待できるし、市場の構造・環境が変わっているので遠い過去のデータは役に立たないと考えるなら、最近のデータを重視すべきだ。どちらがいいとも言えないが、実務的には、10年を超えるようなデータからリスクを推計するのは疑問な場合が多いと、個人的に思っているが、場合による。

今回は、楽天証券が扱っているETFで、過去3年以上の運用レコードがあるものから、主なものを選んで、リスクを計算してみた。その結果が、<表1>だ。

海外に上場されているETFについては、米ドルなり、香港ドルなりの、当時の対円の為替レートをかけて基準価額を円換算して、円から投資すると考えたリスクを計算した。2005年1月~2007年12月の3年間の収益率のデータを作って、ここから年率の標準偏差を推計した。

なお、個々のETFの内容については弊社のホームページ「投資信託」などをご参照いただきたい。

<表1>

昨年前半までは先進国の株式市場の値動きが比較的小さかったので、特にアメリカだがS&P500 も中小型株が多く含まれるRussell2000もあまり大きな値動きがなかった事が分かるし、日本のTOPIXのリスクも小さく出ている。

過去34年のデータから推計した前回のリスクとはかなり異なるリスクの数値になっていて、推計に使うデータの期間による差が実感できる。

これに対して、ブラジル、南アフリカ、中国の株式に投資するファンドの値動きは、相対的にかなり大きい。発展途上国の株価の変動の大きさは、先進国と較べて1日単位で見ても大きいと実感している投資家が多いだろうが、個々のリスクはかなり大きいと覚悟しなければならないことが分かっていただけると思う。

ファンド間の相関係数

ファンドの組み合わせを考える上で重要な相関係数を計算してみた。

<表2>

欄外にはドル/円の為替レートとの相関係数も載せてみた。 日本株との組み合わせでいうと、中国株に投資する二ファンドを除くと、相関係数が0.5以上あって、かなり「同方向に動いている」ことが分かる。また、この期間に関しては、ドル/円の為替レートとの相関も大きく「円安→日本株高」という相関が見られる。

また、共にアメリカに投資するSPYとIWMの相関係数が約0.91と高い。個人が分散投資を考える上ではどちらか一方でいいだろう。

組み合わせ例

ポートフォリオを二通り作ってみたので、そのリスク値をご紹介する。<表3>は、日本株を40%、外国株を60%として、外国株を5ファンド各12%の投資ウェイトとして、リスク値を計算してみた。なお、表の中に期待リターンとして7.465%という数字がいずれのファンドにも入っているが、これは計算時の長期金利(1.465%)にリスクプレミアムを6%乗せたもので、「どの国の株式市場についても円ベースでは同程度の期待リターン」を考えているという意味であって、作業上の仮定だ(筆者の予想というわけではない)。

<表3>

組み合わせたポートフォリオのリスク推計値は、日本株と米国株のリスク値が小さいことが功を奏して約14.5%とかなり抑えられたものになっている。

次の<表4>は、全てのファンドに均等の期待リターンを与えて、ポートフォリオのリスクが最小になるようなウェイトを求めてみたものだ(マイクロソフト・エクセルのソルバー機能を使って最適化計算ができる)。

<表4>

大まかな数字でいうと、日本株40%、アメリカ株(S&P500)53%、中国株7%という結果になった。この組み合わせでの投資を推奨するものでは更々ないが、日本株の最適ウェイトはどうも40%近辺にあるらしいという印象を持った。

個々の国の株式市場に投資するETFは、現在、かなりの数が利用可能だ。率直に言って、各国の株式の期待リターンについて意味のある意見(予想)を持つことは容易ではないが、自分の意思で投資対象国を選んでみることが面白いという投資家もすくなからずいることだろう。

その場合にも、一般論として分散投資が重要であることと、自分の投資している組み合わせのリスクを把握しておくことが大切だ、ということは強調しておきたい。

本資料は情報の提供を目的としており、投資その他の行動を勧誘する目的で、作成したものではありません。銘柄の選択、売買価格等の投資の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようにお願いいたします。本資料の情報は、弊社が信頼できると判断した情報源から入手したものですが、その情報源の確実性を保証したものではありません。本資料の記載内容に関するご質問・ご照会等には一切お答え致しかねますので予めご了承お願い致します。また、本資料の記載内容は、予告なしに変更することがあります。

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