2002(平成14)年8月27日

ソニーがベータ規格ビデオデッキの生産終了を発表

 2002年8月27日、ソニー株式会社がベータ方式のビデオデッキの生産を終了しました。画質など基本性能ではベータ方式が高く評価されましたが、対抗していたVHS方式にシェアを奪われたためです。このことは日本の製造業全体に「いいものを作れば売れる」という考え方の修正を迫りました。

 ベータ方式は家庭用ビデオの規格としてソニーが開発し、1975年にビデオテープレコーダーが発売されました。翌1976年には日本ビクターがVHS方式を開発し、10年以上にわたって両者がしのぎを削りました。「VHS・ベータ戦争」と呼ばれた激しい競争はVHS陣営の勝利に終わります。

 ソニーなどベータ陣営は高性能を前面に押し出す戦略を採りました。一方、VHS陣営は低価格とテープ1本の録画時間の長さで優位に立ち、家電最大手の松下電器産業(現パナソニック)の合流で事実上、勝敗が決まったようです。

 ソニーは1988年にVHS方式の併売に踏み切り、2002年にはベータ方式の生産を打ち切りました。

 

2002年8月27日の日経平均株価終値は

9,907円30銭