日経平均テクニカル分析

 2020年10月以降の日経平均を、テクニカル分析の視点からざっくり俯瞰(ふかん)します。

日経平均週足:2020年10月2日~2022年8月19日

出所:楽天証券MSⅡより作成

 2020年の日経平均は、コロナショックで急落後、急騰しました。大荒れの1年でした。ところが、2021年の日経平均は一転して、膠着(こうちゃく)相場となりました。

 2021年の日経平均はボックス相場でした。2万8,000~2万9,000円の狭いボックスで推移した時間が長く、それを上また下へ抜けた時も、おおむね2万7,000~3万円のボックスで推移していました。

 2022年に入って、米国株が急落すると、日経平均もいったん2万7,000円を割れて下放れました。

 ところが、7月以降、米ソフトランディング期待が高まって米国株が反発すると、日経平均も戻りを試す局面に入りました。2021年で節目となった2万7,000円・2万8,000円は、戻り局面ではレジスタンス(抵抗線)として意識されます。

 そこまで戻ると、一時戻り売りに押し戻される時もありました。それでも、米国株の反発が続いたので、2万7,000円・2万8,000円は戻り売りをこなして上へ抜けました。

 先週は、一時2万9,000円を超えたところでさらに戻り売りが増える局面で米国株が反落したため、日経平均も反落して2万9,000円を割れました。米国株の戻りが一服となると、日経平均も、2万9,000円の壁で打ち返された形となる可能性があります。2021年に長い時間滞在した2万8,000~2万9,000円のボックスを、一気に抜ける条件はまだ整っていないと考えられます。