今日のレンジ予測
[本日のドル/円]
↑上値メドは136.70円
↓下値メドは133.30円
インフレの2次的効果(セカンド・ラウンド・エフェクト):石油製品や食料の価格上昇などが人々の持つインフレ率の期待値を上昇させることにより、足許のインフレがさらに上昇すること
日銀:通貨高を推進する必要のない、世界でも稀有な中央銀行
円:日本の経常収支が赤字になった場合、債券価格が急落するおそれ
ユーロ:財政ルール凍結、23年も維持。ウクライナ危機で延長。欧州委方針
ユーロ:ECB利上げでユーロ圏の分断(南北格差の拡大)が深刻化
メルセデスベンツ:高級車戦略を再構築
米アップル:iPadの生産拠点をベトナムへ移す
サプライチェーン:米企業の35%が「今後1年回復しない」
インフレ:米企業の70%が、コストの一部又は全てを「価格転嫁した」
8月8日(月曜)週明けのドル/円は「円高」
24時間のレンジは134.34円から135.58円。値幅は1.23円
先週金曜日に発表された米7月の雇用統計の予想を超える強さに、マーケットは驚いた。米景気後退を意識したドル売りトレードは、いったん撤退を迫られ、ドル/円は先週の安値から5円上も反発した。
雇用統計前には、0.5%以下まで下がっていた来月のFOMC(米連邦公開市場委員会)の利上げ幅のマーケット予想も、再び0.7%に戻している。
サンフランシスコ連銀のデイリー総裁が週末に「0.5%利上げは決定ではない(それ以上もありえる)」と発言したことや、ボウマンFRB(米連邦準備制度理事会)理事が、9月FOMCでは「0.75%(かそれ以上)の利上げを支持する」と述べたこともドル買い戻し要因になった。ドル/円の動きと米金融政策(FOMCの利上げ)がリンクするなかで、明日の米国のインフレ指標に注目が集まる。
2022年の156営業日目は135.11円からスタート。
東京時間昼前に135.58円まで円安に動いて、先週金曜日の高値(135.58円)を超えた。しかし、ドル買いの勢いはここで止まり、それからは徐々に売りに押されて欧州市場で135円を割ると、夜遅くには134.34円まで円高になった。ただ下値も堅く、 終値は戻して135.00円(前日比+0.01円)。
1年前の2021年8月30日、アメリカ軍はアフガニスタンから完全撤退し、バイデン大統領は、2001年9月11日の米同時多発テロをきっかけに始まった米国史上最長の戦争についに終止符を打った米国大統領として歴史に名を刻むはずだった。ところが、その撤退の手際のまずさによって、称賛どころか世界から批判を浴びることになり、1979年のイランアメリカ大使館人質事件に匹敵する屈辱的な外交の失敗として記憶されることになった。当時のカーター大統領は、その3ヵ月後の大統領選挙で共和党のレーガン氏に敗北している。
8月のペロシ訪台は、米中間選挙を睨んだ民主党の汚名返上作戦ともいえる。「アンチ中国」は、米国議会において超党派的だ。その意味で、ペロシ訪台は、国内的には共和党も含めて反対は少なかったのだろう。
しかし、メンツをつぶされた中国はどうするか。中国経済は、GDP(国内総生産)の30%を支えてきた不動産ビジネスが壊滅状態で、若年層の失業率は40%に上るといわれる。米国を強く批判しながらも、国内の不満を外に向けながら、同時に現体制の強化を図ろうとするのは政治の常套手段だ。
中国経済は、世界のサプライチェーンの終点に位置する。世界経済にとっては始点に位置しているロシアよりはるかに重要である。世界経済は、米国につくか、それとも中国につくかの二択しかない。いずれにしても一番ワリを食ったのは、地政学リスクに巻き込まれる日本だ。
ペロシ訪台が、この地域で第2のウクライナ戦争を引き押さない限りFXマーケットの影響は少ないままだろう。しかし、米中対立が世界の経済に及ぼす影響は今後さらに深刻になるおそれがある。