今日のレンジ予測

[本日のドル/円]

上値メドは138.15

下値メドは131.50

用語:「NAIRU」= インフレを生じさせない失業率の下限。自然失業率
ユーロ:中国のLNG輸入業者が欧州に再販。国内需要不振と利鞘稼ぎ 
中国:中国政府が中国人の海外渡航を制限。元安と資本流出を防止
中国:外国人労働者の40%が帰国を希望:中国の長引くゼロコロナ政策に嫌気 
中国:景気後退で、住宅市場の規制からテコ入れに政策を180度変更
中国:今年の中国の経済成長は2%に大きく落ち込む予想。長引くロックダウンの影響 
ロシア:欧州エネルギー会社の多くが天然ガス料金のルーブル払いを受け入れる
FRB:インフレが下落したことを確認するには「数ヵ月必要」
インフレ:Zaraの返品が有料に。配送料として490円差し引き 

 7月28日(木曜)のドル/円は、大幅な「円高」。
 24時間のレンジは134.19円から136.60円。値幅は2.41円。 

 2022年の149営業日目は136.54円からスタート。

 東京時間朝にやや円安に動いてつけた136.60円を起点に、あとは1日中下げ続ける。135円を割っても下げ止まることなく、未明までかけて134.19円まで円高が進んだ。終値は134.22円(前日比▲2.40円)。

 134.19円は6月17日以来の安値である。この下の大きなサポートは132円台前半までない。つかまるところがないから一気に滑り落ちることもありえる。

 6月17日は日銀会合が開かれた日で、前日にはFRB(米連邦準備制度理事会)や、BOE(イングランド銀行)、SNB(スイス国立銀行)などの主要中央銀行が相次ぎ利上げを実施、世界的な金融引き締めトレンドが強まっていた。日銀の金融政策にも大きな注目が集まっていたが、黒田日銀は大規模金融緩和政策の維持を決定した。失望でこの日のドル/円は1日で2.80円も円安に動いた。

 今回動きはドル安と考えられるが、他通貨の動きと見比べると、ドル/円が特に狙い撃ち(円高)されたようだ。なぜ急にドル安に動いたのか?

 FOMC(米連邦公開市場委員会)は7月会合において2ヵ月連続で0.75%の大幅利上げを決定した。政策金利であるFF(フェデラルファンド)金利は 2.25 -2.50%に引き上げられた。2月に0.00-0.25%だったFF金利は約半年間で10倍になった。

 FOMC後の記者会見に臨んだパウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長は、インフレ抑圧に対する強い決意を改めて示した。次回9月の会合では0.75%を超える利上げの可能性も排除しないことを示唆した。現在のメインシナリオは、9月に0.75%、さらに11月と12月にそれぞれ0.50%ずつ利上げして、2022年末のFF金利4.00-4.25%まで引き上げるというものだ。

 ただし、パウエル議長は、今後の利上げについては「経済データ次第」であるとも述べている。

 この日発表された米4-6月期GDP(速報値)は▲.9%となり、二期連続のマイナス成長となった。イエレン財務長官やパウエル議長は否定しているが、数字上は米経済が「リセッション」に入ったことを示している。

 米国のインフレ率も、そろそろピークを迎えるとの予想が出ていて、8月10日発表予定の7月CPI(米消費者物価指数)がそれを示す結果となれば、FRBの利上げスピードが緩やかになる可能性がある。ドル/円は日銀の緩和政策とFRBの積極的な利上げで140円手前まで円安になった。見通しが変わればドル/円の方向も変わる。

 パウエル議長は、米経済は減速しているが「雇用市場はまだ非常に力強い」と述べている。雇用市場が持ち堪えているのは米経済が大丈夫な印ということだ。しかし、頼みの綱である雇用市場に異変が起これば、「インフレ一番、景気は二番」政策による利上げそのものを見直す必要がでてくる。来週の雇用統計もフォーカスする必要があるだろう。

主要指標 終値

出所:楽天証券作成