「世界株式に積立投資した場合」を検証してみる

 それでは、21世紀初頭(2000年初)から3万円を世界株式(※)に投資し、その後も毎月末に3万円を継続的に投資してきた場合を考えましょう。

(※)MSCIワールド(世界株式)ネットトータルリターン指数(円換算)

 世界株式に連動するインデックス投信やETFの活用をイメージしたシミュレーションです。

 2000年1月から2022年6月まで270回の定時定額投資を実践すると、累計投資額は簿価ベースで810万円(=3万円×270回)でした。ドルコスト平均法と複利運用(雪だるま)効果で、投資元本の時価評価額は6月時点で約2,474万円に膨らんできました。

 もちろん、この過程ではITバブル崩壊(2000年)、リーマンショック(2008年)、コロナショック(2020年)に伴う景気後退や株価の大幅下落を挟んできました。

 長期投資を実践する間において、投資環境の変化に応じて株価や為替が下落するケースは少なくありません。ただ、米国株式を中心に世界株式のリターンが日本株のリターンを大きく上回ったことで、資産を増やすことができたことを示しています(図表2)。

 2000年初に100万円を世界株式に投資した場合でも、時価評価額は増えてきましたが、そのような多額の投資を最初からできるか否かは、投資家の資金繰りや、まとまった金額を一度に投資することに伴うリスクをどう考えるかという「リスク許容度」によることになります。

 今回のシミュレーションは、定額(3万円)を着実に投資し続ける定時定額投資を検証しています。

<図表2>世界株式の積立投資効果を検証してみる

(出所)Bloombergより楽天証券経済研究所作成(2000年初~2022年6月)