今日のレンジ予測
[本日のドル/円]
↑上値メドは138.40円
↓下値メドは135.45円
インフレ:日本人の1/4が「5年後の物価は今より10%以上高くなる」
円:円安で中国が輸出競争力を失う
ECB:「ゼロ金利終了とプラス金利は別」
ECB:ユーロ安はインフレ見通しの重要な要素
英国:ベイリーBOE総裁「生活コスト高が英経済を減速させる」
英国:消費者センチメントが大幅悪化。状況はリーマンショック時より悪い
ウクライナ戦争:天然資源が戦略兵器となる
ウクライナ戦争:SNS世代にとって初めての「欧州戦争」
ドル/円が137円台まで上昇し、24年ぶりの円安を目の当たりにした鈴木財務相は「円安を憂慮」すると話したが、来日中のイエレン財務長官は、(円買い/ドル売り)為替介入の可能性を強く否定した。円安に関しては、政府・日銀が何を言うかよりも何をするかが重要だが、「何もしない」というのが最終結論になった。
日本が円安を止めることはできないが(またその気もないだろうが)、米国の状況が変われば、一気に円高になるリスクもある。この日はFXよりも先に商品市場が不安定になった。NY原油先物価格は3ヵ月ぶりの安値をつけ、金先物も下落。ダウ平均株価は3日続落した。
7月12日(火曜)のドル/円は7営業日ぶり「円高」。
24時間のレンジは136.80円から137.53円。値幅は1.06円。
2022年の137営業日目は137.41円からスタート。円安の流れは継続中も、やや勢いが弱まり、東京時間昼過ぎに高値137.53円をつけたところで失速。前日の高値137.75円は超えられなかった。
夕方からは売りが強まり、137円を割ると夜遅くには136.80円まで円高に動いた。その後も137円に戻すことはなく終値は136.85円(前日比▲0.56円)。
レジスタンスは、
137.53円(07/12)
137.75円(07/11)
サポートは、
136.80円(07/12)
136.08円(07/11)
136.00円(200時間移動平均)
「成長」か「インフレか」? マーケットは、この2つの間を目まぐるしく行ったり来たりしている。
FRB(米連邦準備制度理事会)が、FOMC(米連邦公開市場委員会)で予想を上回る大幅利上げを発表した6月会合が、不安の対象がインフレから景気後退へ切り替わるターニングポイントになった。
先月はFRBに続いてBOE(イングランド銀行)が利上げ。長い間マイナス金利を続けていたSNB(スイス国立銀行)もついに利上げに踏み切った。ECB(欧州中央銀行)は、6月の利上げは見送ったが今月は確実だ。日銀を除く中央銀行の利上げレースに、株式市場と金利高の良好な関係が終わりを迎えつつある。
ところが、インフレ制圧を最優先課題に掲げるFRBの強気姿勢が最大限に達した時に、皮肉にも、米国指標が景気減速を示しはじめた。
米国ではグーグルの検索ワード1位に「景気後退」が躍り出たように、米国人の70%が「すでに景気後退か、年末までに景気後退になる」と悲観的になっている。
米消費者信頼感指数は大幅に悪化し、 FRBが重要視しているPCE(個人消費支出)コアデフレーターも伸び悩んでいる。パウエルFRB議長の「インフレ退治のために無条件でコミットする」という決意が試される。
米経済がFRBの大幅利上げのなかでも持ち堪えているのは、ひとえに雇用市場が強いからだ。米6月の雇用統計はNFP(非農業部門雇用者数)が予想以上に増え、まずまずの内容だった。
今日は米6月CPI(消費者物価指数)の発表がある。過去40年間で2番目の上昇率を持つ、強い勢力のインフレ率になるとの予想がでている。FRB(米連邦準備制度理事会)のウォラー理事は「インフレは高すぎ、下がっているようには見えない」と警戒感露わで、今月の会合では「(0.50ポイントではなく)0.75ポイントの利上げを支持する」と表明した。これも、ドル高要因になるだろう。マーケットのテーマは、再び「インフレ」に戻ることになる。