時間分散しながら日本株を買い増しすべきとの判断を継続

 私は、円安が続いている間は、日本株の下値は限定されると予想しています。先に説明した通り、円安が続くということは、米国景気は好調で、日本企業の海外収益拡大が期待できるからです。メインシナリオでは、米景気は減速しつつも巡航速度での拡大が続くため、円安が進む中で日経平均株価はそろそろ底打ちが見込まれます。

 ただし、リスクシナリオでは、これから米景気が悪化します。そうなると、円安(ドル高)は終わり、円高(ドル安)に転じる可能性があります。その時は、外国人の売りによって、日経平均は下値トライすることになるでしょう。

 メインシナリオが実現するか、リスクシナリオが実現するか、現時点で分かりません。先行きのことを予測することは不可能です。両方のシナリオを考え、時間分散しながら割安と考えられる日本株を買い増ししていくことが、長期の資産形成に寄与すると考えています。

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