今日の為替ウォーキング

今日の一言

何も学ぼうとしないなら、その瞬間は死んでいるも同然だ - ジャック・ニコルソン

Put Your Records On

 ECBはこの日行われた4月理事会で政策金利を市場予想通り0.00%に据え置いた。高インフレリスクとウクライナ戦争による景気後退リスクに欧州経済が挟撃されるなかで、ECBは非常に難しい政策運営を迫られている。欧州経済の見通しについてECBは下向きリスクがある」と弱気の見解を示したが、過去最悪水準まで上昇したインフレを無視することはできず、現在の量的緩和政策を終了することも示唆した。

 ECBは6月の会合で債券購入プログラムの終了を正式に告知、7月に終了すると考えられている。その数ヵ月後から2回利上げを実施して、現在▲0.5%のデポ金利を年内中にゼロ金利まで引き上げ、さらに2023年中にデポ金利を1.00%にするまで利上げする予定だ。

 したがって全体で見るとECBは、決して弱気ではない。しかし、FRBははるかに強気だった。この日はFRBのウィリアムズ・ニューヨーク連銀総裁が、5月FOMC(米連邦公開市場委員会)会合で0.5ポイントの利上げを支持した。ウィリアムズ総裁は、FRB(米連邦準備制度理事会)の政策立案においてパウエルFRB議長のアドバイザー的存在。5月会合の0.5ポイントは、これで確定したと考えていいだろう。

 ECBが今年1年かけて0.5ポイント利上げするところを、FRBは5月だけでやってしまうことになる。それで流れはユーロ売りへ動いたのだ。ECBが今年中にマイナス金利を終了するということは、円が最弱通貨というポジションも決定する。

今週の 重要経済指標

出所:楽天証券作成