誰でも知っているあのブランド!生活に身近な米国株とは?

 最近、個人投資家の間で一般的になってきた米国株。つみたてNISA(ニーサ:少額投資非課税制度)の投資対象としても、世界中の投資家が運用の指針にしている米国の株価指数「S&P500種株価指数」の値動きに連動する投資信託が人気です。

 では、米国の個別企業の株はどうでしょうか? 「日本株でも難しいのに、海の向こうの企業のことはよくわからない…」「通貨を両替するハードルが高い…」と思われる方もいるでしょう。

 しかし、米国株には、日本人の生活にすっかり溶け込み、日本企業以上に親しまれている身近な会社の株も実はたくさんあります。

 企業名は知らなくても、日本で販売している生活日用品や食品などのブランド名を聞けば、「あっ、あの商品の会社だったのか!」と、急に身近に感じられるはずです。

日本人の生活にも身近な一般消費者向け米国株5選


ティッカー
企業名 主力
ブランド
株価
:ドル
配当
利回り
:%
PG プロクター&ギャンブル(P&G) ヘアケア「パンテーン」
衣料用洗剤洗剤「アリエール」
柔軟剤「レノア」
消臭芳香剤「ファブリーズ」
紙おむつ「パンパース」
155.09 2.27
JNJ ジェンソン・エンド・ジョンソン(J&J) 救急ばんそうこう「バンドエイド」
洗口液「薬用リステリン」
赤ちゃん用スキンケア「ジョンソンベビー」
178.19 2.39
K ケロッグ 「コーンフレーク」
「フルーツグラノラ」
「オートミール」
65.61 3.53
SBUX スターバックス コーヒー店チェーン「スターバックスコーヒージャパン」 91.49 2.15
UL ユニリーバ ボディーウォッシュ「ダヴ」
ヘアケア「ラックス」
男性用化粧品「アックス」
46.6 4.39
※株価、配当利回りは4/1終値時点
米国株にはアルファベット1~4文字程度の「テッカーコード」がそれぞれの企業に割り振られており、そのコードを使って株の売買を行います。

プロクター&ギャンブル(PG)

 日々の生活で当たり前のように利用しているせっけんやシャンプーといった生活日用品。あまり企業名は意識しませんが、愛用しているブランド名は覚えているものです。

 例えば、洗剤「アリエール」、柔軟剤「レノア」など、日本人の生活にすっかり溶け込んだ日用品ブランドを提供しているのが、米国の一般消費者(コンシューマー)向け企業、プロクター&ギャンブ(PG)です。

「P&G(ピーアンドジー)」という略称でもおなじみの同社は創業180年以上の歴史を持つ米国の老舗。世界中の人々に、最先端の日用品ブランドを提供しています。業績は好調で、株価もここ10年で2倍以上に上昇するなど、右肩上がりを続けています。

ユニリーバ(UL)

 誰もが知っている身近な日用品を販売しているという点では、英国に本社があるユニリーバ(UL)も有力な投資先です。

 日本で主力のブランドは、ボディーウォッシュ「ダヴ」やヘアケア「ラックス」、男性用化粧品「アックス」など。また、日本では味の素がライセンス生産・販売を行うスープブランド「クノール」も、同社が世界中で展開している食品ブランドです。

 同社の株は「ADR(米国預託証券)」の形で米国市場に上場していて、他の米国企業と同様に自由に売買可能。株主配当利回りは4%を超えています(支払いは年2回)。

 投資した企業の製品をいつも身近で使っていたら、その企業の特色や目指すところもわかるので、株主として安心感があります。

ユニリーバ製品愛用者なら、企業のことがぐっと身近に感じられるはず

ジョンソン・エンド・ジョンソン

 ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)は、一般向けの衛生用品や医薬品、医療機器などのヘルスケア分野で米国を代表する企業です。株価は右肩上がりの上昇が続き、ここ10年間で3倍になりました。

 同社の名前を知らない人でも、ガーゼ付きばんそうこう「バンドエイド」を使ったことのない人は少ないでしょう。赤ちゃんの肌にもやさしいスキンケア製品「ジョンソンベビー」や洗口液「リステリン」、使い捨てコンタクトレンズ「アキュビュー」など幅広い製品を手掛けています。

健康や安全を支える、ジョンソン・エンド・ジョンソンの製品

シリアルからコーヒーショップまで、日本の”食”文化に定着!

ケロッグ(K)

 ケロッグ(K)といえば、あの「コーンフレーク」を世界で初めて発明・製造した米国の食品メーカーとして有名です。日本では、「コーンフロスティ」、「フルーツグラノラハーフ」などが朝食の定番として食卓に並んでいます。

 ケロッグの製品は日本以外の世界各国でも親しまれており、業績は非常に安定しています。ここ10年間の株価は50~80ドル台を上下動。株主配当の利回りも約3.6%と高く、投資対象として魅力的な高配当株です。

栄養豊富なケロッグのシリアルは朝食に大人気

スターバックス(SBUX)

 スターバックス(SBUX)は全世界に3万以上の直営店やライセンス店を展開する世界最大のコーヒーチェーンです。日本でも約1,700店舗を展開。おいしいコーヒーだけでなく、細部までこだわりのある店内で過ごす体験も魅力の一つです。

 若い人の間では「スタバ族」という呼び名もできるほど、店内で談笑したり、仕事や勉強の息抜きの場として活用することが日本人のライフスタイルとしてすっかり定着しました。

 世界的な店舗拡大で業績が急成長していることもあり、株価はここ10年で最大6倍まで値上がりしています。

米国株投資、二つの特徴

 米国株投資には、大きく二つの特徴があります。

(1)1株から市場で取引できる

 株価100ドルなら約1万2,000円で購入可能(1ドル120円として計算)。日本株は100株単位でしか購入できないため、時に100万円近い資金が必要ですが、米国株なら少額資金で世界有数の優良企業に投資できるのです。

 楽天証券の外国株口座を使えば、為替の両替も、株の売買も業界屈指の格安手数料で行えます。

 例えば、株価100ドル(=1万2,000円)の米国株を1株購入するのに必要な為替手数料は約25円、売買手数料は約60円。合計約85円しかかかりません。

(2)高配当企業が多い

 配当の支払い回数は年4回の企業が多いので、生活に役立ちます。日用品関連企業の場合、配当利回りが2%超、中には4%を超える企業もあります。

 残念ながら、日本企業のように株主優待制度はありませんが、毎年高額の配当金がもらえ、しかも長い目で見ると日本株以上に株価も大きく上昇している優良企業が多い点が何よりも大きな魅力といえるでしょう。

身近な米国株を選ぶメリット

 日用品など生活必需品の需要は、景気悪化の影響を受けにくい特徴があります。加えて、米国の日用品や食品などを扱う企業は世界中に進出しているため、全世界から収益を得られ、収益力が安定しているという一面があります。

 また、米国企業は、成長性の面でも世界一といっていいでしょう。

 電気自動車のテスラ(TSLA)、新型コロナウイルスのワクチンを製造するモデルナ(MRNA)など、日本にいても「この会社の名前、最近よく聞くようになったな」と感じる米国企業は実にたくさんあるもの。

 安定した収益力と世界屈指の成長性を持った米国株への投資は、老後に向けた長期資産形成の面でも最適です。

 日常生活に身近な日用品を販売している米国株なら「入門編」にぴったり。これを機に、楽しみながら米国株投資を始めてみるのはいかがでしょう。