今日の為替ウォーキング

今日の一言

情報が多ければ判断が楽というものではない

Hold Me Now

 ドル/円相場は先週指摘した123.20円(3月28日につけた高値125.09円とその後につけた安値121.28円の中間点)超えた。

 先月3月28日にドル/円は2015年8月以来約6年7ヵ月ぶりの高値をつけた時は、大量の取引ボリュームを伴いながら122.00円から125.09円まで一気に円安が進んだのだが、この動きに参加できた人は意外に少なかったようだ。ドル売りのストップやノックアウトトリガーなどの機械的なトランザクションが中心で、投資家やトレーダーが積極的にドル/円を買い上げたわけではなかったといわれている。ストップはいったんついてしまえばそれでおしまいだから、その後の上昇は続かなかった。しばらく新しい居場所を求めて乱高下したが、やはり円安に進むことを決めたようだ。

 この日(5日)は、黒田日銀総裁が「円安のスピード」に対して軽い牽制発言をしたことでドル/円が122円台前半まで下げる場面もあった。しかし日銀は、緩和政策を終了するわけでも円買い介入をするわけでもない。気にかけているのは円安の「速さ」であって「水準」ではない。黒田総裁の発言は、緩やかな円安なら問題なしと、マーケットが都合よく解釈してしまったようだ。

 ブレイナード理事は、FRBの中でも利上げ慎重派といわれているが、0.5ポイントの大幅利上げの可能性を示唆した。またバランスシート縮小の性急な実施についても言及している。大幅利上げに加えてバランスシート縮小が合わさることになれば、次回5月のFOMCは、利上げサイクルのなかでも最大級の金融引き締めが実施されることになる。前回125円のときはタイミングを逃した投資家が参加してくるなら、円安は長期化するだろう。

今週の 重要経済指標

出所:楽天証券作成