今日の為替ウォーキング

今日の一言

決断は疑惑の存在を前提とする。地位の進むに従って決断力を失う者が少なくない

Long Train Runnin’

 3月のFOMC(米連邦公開市場委員会)で公表された経済見通しでは、2022年のGDPが前回12月時点の4.0%から2.8%に下方修正された。ウクライナ戦争の影響が考慮されたからだが、それでもまだ長期トレンドを1.0%上回っている。2023年と2024年は2.2%と2.0%で変更ない。

 一方コアインフレの見通しは、2022年は4.3%(前回2.6%)、2023年は2.7%(前回2.3%)、2024年は2.3%(前回2.1%)へ、それぞれ大幅に引き上げられている。

 FRB(米連邦準備制度理事会)は強気だ。中立金利(以上)まで利上げしてインフレ率を目標値内に封じ込めながらも、経済成長はトレンドより高く、完全雇用も維持できると考えている。しかし、その見通しには、経済成長率は徐々に減速していくなかで物価は大幅に上昇していくという「スタグフレーション」のサインが現れているのだ。

 新型コロナによって経済の大きな構造変化が進むなかで、中央銀行が経済をトレンド以下リセッション以上の状態に軟着陸させることは昔よりはるかに難しくなっている。元米財務長官のラリー・サマーズ氏は、米国の失業率とインフレ率は数年内に5%を超え、最終的に大リセッション時代に突入すると警告する。パウエル議長はそう考えていない。

 ではマーケットはどう考えているか? 少なくともFRBほど強気でないことは、米国金利のイールドカーブのフラット化が示している。誰が正しいか、いずれ分かることだ。

今週の 重要経済指標

出所:楽天証券作成