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相場の上値余地・下値余地の目安とその計測法
石原 順
外為市場アウトルック
リーマンショックの影響による景気回復に向けた歳出の増大が、世界中で財政赤字の拡大を招いた。政治家は財政再建をしなければならず、その結果、景気対策は中央銀行に押し付けられることにな…

相場の上値余地・下値余地の目安とその計測法

2010/4/30
数社の海外ファンドの運用を担当する現役ファンドマネージャーとして活躍する石原順氏による外国為替市場レポート「外為市場アウトルック」。お客様の投資のヒントにお役立てください。
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今回のレポートではドル/円相場を例に、筆者が相場の上昇や下落についてのレンジを予測する手法について述べてみたい。相場に絶対の法則などないので、これから述べることはあくまでも仮説であり目安に過ぎない。

これまでセミナーやレポート等で述べてきたが、ドル/円相場はノーマル(強いトレンドが出ていない)相場の場合、概ね13日移動平均線の±2%乖離のバンドの中で動くという傾向を持っている。

ドル/円(日足)2010年2月~4月

上段:14日ADX(赤)・26日標準偏差ボラティリティ(青)
下段:13日移動平均線2%乖離(青)・13日移動平均線3%乖離(赤)


(出所:石原順)

ドル/円(日足)2009年5月~2010年4月

上段:14日ADX(赤)・26日標準偏差ボラティリティ(青)
下段:13日移動平均線2%乖離(青)・13日移動平均線3%乖離(赤)


(出所:石原順)

4月29日現在のドル/円相場は、ボリンジャーバンド2σが縮小中で、2σのレンジは94円57銭~92円32銭となっている。このバンドが今後拡大に転じた時(上昇の確率が高いが上昇・下落の方向性はまだわからない)、上昇の場合、相場は13日移動平均線±2%乖離の95円18銭、下落の場合、91円45銭をトライする可能性がある。それを超えてくると、上昇の場合、13日移動平均線±3%乖離の96円12銭、下落の場合90円52銭をトライする可能性がある。(4月29日現在)

以上が、筆者のドル/円相場(2週間~1カ月程度)のレンジを計測する方法である。要するに13日移動平均線の2~3%乖離を目安にしているということだ。

13日移動平均線3%乖離に21日ボリンジャーバンド2σを組み合わせると、より相場の輪郭がはっきりしてくる。相場にトレンドが出た場合、21日ボリンジャーバンド2σ(2std)の拡がりは、13日移動平均線の3%乖離と同じレベルに留まることが多い。筆者は13日移動平均線3%乖離と21日ボリンジャーバンド2σ位置が近く、その近辺に相場があるときは、短期的には相場反転リスクが高い局面であると考えている。スウィングトレードだけでなく、むしろデイトレードでこのポイントを抑えておきたい。

ドル/円(日足)2009年5月~2010年4月

上段:14日ADX(赤)・26日標準偏差ボラティリティ(青)
下段:13日移動平均線3%乖離(赤)・21日ボリンジャーバンド2σ(青)


(出所:石原順)

相場が13日移動平均線3%乖離や21日ボリンジャーバンド2シグマの近辺まで上昇または下落し、ボリンジャーバンドが縮小(標準偏差ボラティリティが低下)した時が逆張りの好機となる。注意すべきは、大相場になった場合、13日移動平均線3%超の相場になることも多いので、トレンドが出ている(標準偏差ボラティリティやADXが上昇)時は、3%以上乖離していても逆張りは機能しないことである。標準偏差ボラティリティやADXが低下していない局面の逆張りは大損失の危険が大きすぎる。

さて、本日は月末の4月30日である。筆者が中長期のトレンドを観る場合に最も重視する20カ月移動平均線の終値が本日決定する。20カ月移動平均線は、現在、94円05銭近辺だが、はたして月足はどうなるだろうか?

ドル/円(月足)20カ月移動平均線(赤)とブレイク後のターゲット(黄色の帯)


(出所:石原順)

ドル/円相場は、引き続き週足一目均衡表の<雲>の動向を注視したい。週足一目均衡表の<雲>の抵抗は強力だが、来週から<雲>の上限が94円20銭近辺まで下がってくるので上抜けの期待が高くなる。

ドル/円の20カ月移動平均線と週足一目均衡表<雲>の攻防は2007年以来のドル買い時代となるかどうかの分岐点である。ゴールデンウイーク中の日々の市況は、ブログ「石原順の日々の泡」を参照されたい。

ドル/円(週足)一目均衡表の<雲>


(出所:石原順)

先週のレポートにも書いたが、現在の外為市場はユーロ圏の信用リスクがマーケットテーマとなっており、投機筋が全員集合の状況だ。シカゴのIMM通貨先物取組はユーロ売りが過去最高水準を更新し続けており、反転リスクも高いが、ユーロ/ドルの日足を観ているとADXも標準偏差ボラティリティも上昇を伺う形状となっており、今後大相場に発展する可能性がある。値頃感からの逆張りはやはり危険であろう。投機筋の短期ターゲットは1.31、6月ターゲットで1.27という噂だが、ユーロ売りを先導しているユーロ/豪ドルやユーロ/カナダの売りも止まる気配がないので、売り優勢の相場に変わりはないだろう。ユーロが年央まで売られやすい理由は、米・欧の金利見通しが底流にあるが、「2010年にユーロが売られる理由と主要通貨の長期見通し」をご覧いただきたい。

ユーロ/ドル(日足)

上段:14日ADX(赤)・26日標準偏差ボラティリティ(青)
下段:21日ボリンジャーバンド1σ


(出所:石原順)

ユーロ/豪ドル(左)とユーロ/カナダ(右)の月足


(出所:石原順)

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