★筆者が選ぶ10万円株は2ページ3ページに掲載しています。

3大懸念に加え、政権の姿勢も投資意欲の重しになっている

 東京市場、いや世界株市場では引き続き3つの懸念が取りざたされています。

  • ウクライナ懸念(ロシア軍事侵攻の有無)
  • 国内オミクロン株感染拡大(消費低迷)
  • 米FRB(連邦準備制度理事会)金融政策転換(米金利上昇/インフレ)

 それに加え、岸田政権が株価対策に積極的でないことも個人投資家の株式投資への意欲を低下させている要因と思われます。

 昨年10月の就任後首相自らが「金融所得課税の強化」を口にし、2月21日の衆院予算委員会でも、野党議員の質問に返答し、企業収益の分配の在り方について「株主還元という形で成長の果実等が流出しているということについてはしっかりと受け止め、この現状について考えていくことは重要」と述べました。

 拡大している株主還元(配当、自社株買い、自社株消滅)について水を差したと受け取られかねない発言です。

「新しい資本主義」を官民協働で推進すると標榜し、「成長と分配の好循環」を強調、「民間企業に今年の春闘に向けて3%の給与引き上げをお願いする」と繰り返しています。

 しかし、よもや首相が意味する「分配」が株主還元を削り、その資金を給与アップに回すというものとは投資家は思っていなかったのです。今はそれに対するショックや疑念が生じている最中ではないでしょうか。

 半面、岸田政権に対する支持率は一時期よりも落ち着いた感はありますが、決して歴代の政権と比べて低いものではありません。厳しいコロナ対策や分配に対する考えが一定の支持を得ていると判断できます。これについても投資家はもどかしさを感じているでしょう。