注意して!REITは「配当控除」が適用されない
ただし、上場株式や投資信託と大きく異なる点があります。それが、REITの分配金を確定申告し、総合課税の配当所得とした場合、「配当控除」が適用されないということです。
上場している日本株の配当金や、日本国内の株式を投資対象としている投資信託の分配金については、総合課税の配当所得として確定申告した場合に配当控除が適用されます。
配当控除の額は、課税総所得金額が1,000万円以下の場合、所得税10%、住民税2.8%です。
通常、上場株の配当金や投資信託の分配金を確定申告した方が有利かどうかのシミュレーションは、配当控除が適用されるという前提で行われていることが多いのです。
しかし、REITの分配金については配当控除が適用されないので、配当控除による税額軽減効果を外した上でシミュレーションしないと、確定申告の有利・不利の判定ができなくなってしまいます。この点は十分に注意してください。
上記をまとめると以下のとおりです。
分配金の課税
上場株式などと同様に配当所得、20.315%の源泉徴収。ただし総合課税で確定申告したときの配当控除の適用はない
売却益の課税
上場株式などと同様、20.315%の税率による譲渡所得課税
損益通算
上場株式などと同様、売却損と売却益・配当金・分配金を損益通算でき、損失の残額があれば確定申告により3年間繰り越し可
他の投資商品と異なる税金の留意点を踏まえて、REIT選びをすることが大事です。