株価調整場面はNISA投資の好機。高配当利回り銘柄はNISAでの有望な投資候補に
NISA(ニーサ:少額投資非課税制度)投資の特徴として主に考えたいこととして、(1)キャピタルゲイン課税が発生しない、(2)インカムゲイン課税が発生しない、(3)NISA以外の口座で発生した利益と損益通算ができないことなどが挙げられます。
(1)に主眼を置くのであれば、リスクをとったうえで、短期の値ざや稼ぎを狙うことも一考でしょうが、もともとは個人投資家の長期投資を促す政策であり、そもそも年間の投資上限が120万円でもあるため、大きなリスクを取らず、長期的に着実な運用を目指すべきものであると考えられます。
着実な収益の獲得という意味では(2)も重要な要素となり、NISA投資では高配当利回り銘柄に優位性が高いといえるでしょう。
また、最も重要なことは(3)から考えてみても、投資した銘柄のキャピタルロス(値下がり)を避けることといえます。この観点からいうと、2022年の初めから株式市場が大きな調整を余儀なくされた現局面は、NISA投資にとっては好機とも考えられるでしょう。
なお、NISA投資の対象銘柄として、個人投資家が売却しにくい株主優待実施企業などが挙げられていますが、主要企業においては、株主優待の恩恵が少ない機関投資家の売買の影響が大きいこと、東証再編に伴い個人投資家数の拡大を目的とした株主優待は今後減少していくとみられることなどから、優待銘柄に投資対象を絞る必要性は低いと考えます。
今回取り上げる5銘柄は、(1)東証1部上場企業で最低購入額が120万円以下、(2)時価総額が1,000億円以上、(3)今期予想を含めたここ5期間の年平均営業利益成長率が8%以上、(4)日経平均が直近の高値を付けた2021年9月14日から2022年2月10日までの株価下落率が10%以上の銘柄、(5)配当利回りが3%以上のものです。
(3)に関しては、相応の値上げ利益を期待するには、利益成長力の高さを考慮する必要があるためです。
(4)に関しては、株価調整が進んだ銘柄と考えることができ、(5)に関しては、インカムゲインの非課税メリットが大きいほか、割安感から株価の下値リスクが小さい銘柄と捉えることもできます。
NISA投資で妙味の大きい高配当銘柄
コード | 銘柄名 | 配当 利回り |
株価 | 時価 総額 |
株価 騰落率 |
年平均 営業利益 成長率 |
---|---|---|---|---|---|---|
3003 | ヒューリック | 3.65 | 1,095.0 | 8,409 | ▲ 22.0 | 13.9 |
3107 | ダイワボウHD | 3.41 | 1,759.0 | 1,695 | ▲ 19.0 | 17.7 |
5741 | UACJ | 3.65 | 2,327.0 | 1,125 | ▲ 24.2 | 14.1 |
8425 | みずほリース | 3.30 | 3,330.0 | 1,632 | ▲ 13.3 | 10.8 |
9069 | センコーグループHD | 3.43 | 933.0 | 1,427 | ▲ 12.8 | 8.1 |
注:配当利回り、株価騰落率、年平均営業利益成長率の単位は%、時価総額の単位は億円。 株価は2022年2月10日終値、単位は円。 注:株価騰落率は2021年9月14日から2022年2月10日まで 注:年平均営業利益成長率は今期予想を含めて5年間 |
銘柄選定の要件
- 東証1部上場企業で最低購入額が120万円以下
- 時価総額が1,000億円以上
- 今期予想を含めたここ5期間の年平均営業利益成長率が8%以上
- 日経平均が直近の高値を付けた2021年9月14日から2022年2月10日までの株価下落率が10%以上の銘柄
- 配当利回りが3%以上