金利が下がる都度、売られてきた銀行株

 決算の中味に踏み込んで解説する前に、まず、3メガ銀行の株価が過去どう推移してきたかご覧ください。株価は、長年にわたり低迷が続いた後、2021~2022年になってやっと日経平均を上回る上昇となっています。

日経平均および3メガ銀行株価の値動き比較:2007年1月~2022年2月(8日まで)

出所:2007年1月末の値株価を100として指数化、QUICKより楽天証券経済研究所が作成

 日本の3メガ銀行株は2008年以降、金利低下とともに売られてきました。金利が低下している間は、日経平均を大幅に下回るパフォーマンスとなっていました。

 株式市場で「金利低下→銀行(金融業)の収益悪化」というイメージが定着しているので、金利が低下する都度、世界中で銀行株を始めとして金融株が売り込まれました。

日米の長期金利(10年国債利回り)推移:2007年1月~2022年2月(8日)

出所:QUICKより作成

 3メガ銀行は、まず日本の長期金利が低下する過程で、売られました。さらに、ドルの長期金利低下を嫌気して売られました。

 2021年以降、ドルの長期金利が上昇し始めると、世界的に金融株が上昇し、日本の3メガ銀行株も上昇しました。世界の株式投資家は相変わらず、日本の3メガ銀行株を金利連動株として扱っています。