テクニカル面でみた「売られ過ぎ」のサインは好機?
先週の後半以降、米国を中心に世界株式はやや落ち着きを取り戻す動きをみせています。2021年に過去最高値を計70回更新したS&P500種指数も、「堅調トレンドの反動安」とも言える株価下落がいったん一巡する兆しがみられます。
図表1は、S&P500種指数とそのRSIの推移を示したものです。RSIとは「相対力指数(Relative Strength Index)」のことで、株価水準が売られ過ぎか、買われ過ぎかを示すテクニカル指標です。
過去14日間の上げ幅と下げ幅を合わせた変動幅合計に対する上げ幅の割合を示し、一般的に「70%以上は買われ過ぎ」、「30%以下は売られ過ぎ」と判断されます。
先週、S&P500種指数のRSIは30%を割り込み、2020年春の「コロナ危機」以来となる水準に低下し「売られ過ぎ」(逆張り指標としては底入れのサイン)を示しました。先週はナスダック総合指数や日経平均株価のRSIも30%を割り込みました。
テクニカル面で「売られ過ぎ」に下落したことは、複数の悪材料を織り込む売りが一巡しつつあることを示します。
「恐怖指数」(VIX=S&P500種指数ベースの予想変動率)はいまだ20%を上回っており、目先の警戒感は拭えません。ただ、長期視点で振り返ると株価が大きく下落した場面は「押し目買い」や「積み増し買い」の好機だったことが知られています。「ピンチはチャンス」は投資の格言でもあることを再認識したいと思います。