今日は、「米国株や日本株に積み立て投資を始めたものの不安…」という読者の声があることに対して、私の考え方をお伝えします。これから投資を始める初心者の方に、ぜひ知っておいていただきたいことです。

荒れる日経平均、S&P500より値動き荒い

 日本株・米国株とも、1月に入ってから大きく下落しました。日経平均株価あるいはS&P500種指数(米国を代表する株価指数)に連動するインデックスファンドやETF(上場投資信託)に積み立て投資をしている方には、落ち着かない日々が続いていると思います。

 私は、米国株は成長株として、日本株は割安株として投資価値が高く、米日株とも積み立てで投資を続けていくことが、中長期の資産形成に寄与すると考えています。

 以下、アベノミクスがスタートした2013年以降のS&P500と日経平均の値動きを比較したグラフをご覧ください。

日経平均とS&P500の値動き比較:2012年末~2022年1月31日(S&P500は1月28日まで)

注:2012年末の値を100として指数化、楽天証券経済研究所が作成

 アベノミクスが始まった2013年を起点として、日経平均とS&P500を比較しました。それぞれ約260%・300%上昇しており、良好なパフォーマンスといえます。ただし、一本調子に上昇してきたわけではありません。何度も急落・急騰を繰り返しながら、上昇してきました。2015年後半・2018年後半・2020年初めには、かなり大きな下落を経験しています。

 日経平均もS&P500も、乱高下しながら最終的には、企業業績の拡大、1株当たり利益の増加を反映して上昇してきました。このトレンドは、今後も続くと考えています。日経平均・S&P500とも、自社株買いと業績拡大によって、これからも継続的に1株当たり利益を伸ばしていくと予想しています。コツコツと積み立てを続けていくことが、中長期の資産形成に寄与すると判断しています。

 両方とも荒れる資産ですが、細かく見ると、日経平均の方がS&P500よりも急落急騰のふれ幅が大きいことが分かります。外国人投資家が、世界景気敏感株として日経平均先物の売り買いを繰り返すことが、日経平均の荒い値動きにつながっています。