今日の為替ウォーキング

今日の一言

今の時代、評価がすぐに出ないものは見向きされない傾向があるが、商売には「機」というものがあり、願いが正しければ、時至ればかならず成就する

Tonight's The Night (Gonna Be Alright)

 ほんの数カ月前までは緩和縮小に対してさえあまり乗り気ではなかったパウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長が、今では緩和縮小を倍速ペースで進めているだけではなく、利上げにも積極的。さらには年内にバランスシート縮小開始を着手するところまで「タカ派」に変身しています。

 FRBは何をそれほど急いでいるのか?本当はインフレが短期間で終息すると知っていて焦っているのではないか。インフレ率が高い今のうちに「金融政策の正常化」をできるだけ進めたいと考えているのです。ぼやぼやしている間にインフレが下がってしまえば、利上げとバランスシート縮小は次いつできるかわからない。日銀のようにチャンスを永遠に失ってしまうかもしれない。

 FRBは、インフレが想定以上に強く、長引いていることを認めているものの、あくまでもFRBのモノサシに比べてということで、絶対的に長期化するとは考えていないということです。

 現在7%の米消費者物価指数は今後1、2か月で天井をつけ、年末には2%以下に下がると予想するエコノミストもいます。パウエルFRB議長は議会証言で、インフレが「今年半ばまで」続くだろうと述べていますが、その先の見通しについては触れていません。クラリダFRB元副議長(今年1月退任)は「インフレは一過性で、構造的な変化によるものではない」との見解を示しています。

 米国のインフレ率がほぼ40年ぶりの高さに上昇するなかで、マーケットは、すでに今年5回の利上げプラス、夏からのバランスシート縮小までを積極的に織り込んで動いています。しかし、その予想が実現するためには夏以降も高インフレが続くという条件が必要。

 FOMCの「公式見解」は、あくまでも利上げは今年3回(ドットチャート)、バランスシート縮小開始時期は未定です。FOMCとマーケットの認識ギャップが大きければ、それだけドルや株式市場が再調整を迫られ大きく動く可能性があります。

今週の 重要経済指標

出所:楽天証券作成