国内だけでは成長は頭打ちに、海外事業の利益拡大に期待

 国内で高い競争力を有する小売業に返り咲いたイオンですが、国内だけでビジネスをやっていたら、いずれ頭打ちになります。人口が成長するアジアで、利益を拡大していかなければ、中長期の成長は見込めません。

 イオンは、ASEAN(東南アジア)、中国に進出し、アジアで収益を拡大しています。初期コストの回収も終え、海外事業が黒字化しつつあります。コロナの影響で足元、収益が悪化していますが、コロナが収束すれば再び海外利益を成長させていくことができると考えています。

 ただし、海外でも、小売業ではあまり稼げていません。それが、さきほどお見せしたセグメント情報でわかります。事業別セグメントの「国際」部門の営業利益は7億円しかありません。

 海外でも金融・不動産の利益が拡大しているため、海外部門全体ではもっと利益を稼いでいます。総合金融・ディベロッパーセグメントに入っている、海外部門の営業利益まで加えると、ようやく営業利益の約2割を海外で稼ぐ力を得つつあります。

 コロナ収束後には、再び海外利益が拡大し、全体に占める構成比は2年以内に3割まで上昇すると予想しています。