「ほっとけ投資」のDokGenさんが注目する銘柄とは?

──では注目銘柄もお聞かせください。まずは今現在、主力として保有されている3銘柄になりますか。

DokGenさん そうですね。私はほぼ毎月、ブログで保有銘柄の評価額を公開しているので、それを見てもらえればわかりますが、投資スタンスが長期であることもあって、持ち株は運良く買値を上回っています。

 2021年11月末時点の評価額ですが、ジーエルサイエンスが+約3,100万円、名古屋電機工業が+約1,400万円、近鉄エクスプレスも+約1,400万円。これら以外の5銘柄もすべてプラスです。

──これってスゴいことですね。例えば、買ってすぐ買い値を下がったので、損切りするなど、そういう銘柄はあるのですか。

DokGenさん それはないですね。そもそも長期保有を前提に買いますから、たとえ買い値を下回ってもすぐに売ることはありません。

──100発100中ですか?

DokGenさん 100銘柄も買っていませんが(笑)、最近はあまり負けていませんね。まぐれです。

 主力3銘柄以外だと、フクビ化学工業(7871)堺商事(9967)の2つは最近、買いました。フクビ化学工業は建築資材メーカーなのですが、株価がかなり割安なので調べてみたら、収益構造の改善が進んでいるらしく、この先、おもしろそうだなと。堺商事は堺化学系の商社部門ですが、株主構成からも親子上場解消の期待や、素材系で伸びそうだと感じたことが理由です。

──保有銘柄以外で、目をつけている銘柄はありますか。

DokGenさん はい、2つあります。1つは製造業や流通業界向けの業務システムの開発を行う、JFEシステムズ(4832)という会社です。

  鉄鋼親会社のDX(デジタル・トランスフォーメーション)化は必須でしょうし、私の勤務先で使っているソフトウエアはほぼ市場のデファクトスタンダード(事実上の標準規格)になっていて、競合が出にくい製品を持っています。

 もう1つは、固定資産管理のソフトウエアを手掛けるプロシップ(3763)という会社です。会計システムの分野は、SAPやオラクルなど海外のビッグネームが強いですが、固定資産に限っては日本特有のものがあるため、この会社が高いシェアを誇るのです。

 ただ、私としては誰かが勧める銘柄を買うのでなく、自分で探してほしいと考えています。私は製造業の会社に勤務しているので、JFEシステムズの製品を使っていますが、違う業種であれば、別の製品を使っているはずですし。

 自身の周囲で最近、よく評判を聞くとか、シェアを伸ばしている製品があったら、その会社を調べてみればいいのです。これを私は「半径4畳半で投資先を探そう」と言っています。

株式投資は人生を変えられる

──ご自身は今も会社員を続けているんですよね。最近、FIRE (Financial Independence、Retire Early:経済的自立と早期退職)を目指す人が増えていますが。

DokGenさん 実はそろそろ辞めようかなとずっと考えているんです。でも、辞めようと思うと大きなプロジェクトを任されたりするんですよ(笑)。タイミングもあり、なかなか踏ん切りがつきませんね。

──現在50代半ばとのことなので、ここまできたら定年まで勤め上げますか?

DokGenさん いや、それはないですね。これは単行本にも書いたのですが、私には死ぬまでにやりたいことが山ほどあるんです。

 子供たちとアメリカ大陸を横断するとか、エベレストを見るとか、世界の有名ホテルを泊まり歩くとか、若いころ、大好きだったバンドのライブに行くとか。だから、そろそろ辞めないとマズいんですよ(笑)。定年まで働いたら、とても全部はできなくなりそうなので。

──2億6,000万円あればお金の心配はいらないようですが。

DokGenさん 最初の妻との間の子供はもう大きくなっていますが、現在の妻との間にも2人の子供がいて、まだ成人していません。だから、まだまだお金はかかりそうですが、それでも今の資産があれば何とかなるかなと考えています。

 離婚して父子家庭で資産90万しかなかったので、本当に株式投資には感謝しています。

──投資は今後も続けますか。

DokGenさん 私にとって投資は、半分は趣味といえるので、当分は続けると思います。ただ、これだけ資産ができたので、がんばって増やすというより、少しずつでいいので着実に増やせればと考えています。

 また、若いころは配当金狙いの投資なんて絶対するもんかと思っていました(笑)。でも、資産が2億円を超えたころから、近い将来リタイアした後の生活を経済的に安定させてくれる手段と考えるようになりました。

 現在は高配当銘柄中心で保有していて、買値ベースで配当利回りは4.91%、年間500万円くらいの配当収入です。今後はもっと配当銘柄の比率が高くなると思います。

──では、最後にトウシル読者にメッセージをいただけますか。

DokGenさん 私は一介の会社員で、とくに取り柄もないので、株で稼いで元妻を見返すつもりだったと話しました。でも実際のところ、普通の会社員が1億円稼ごうと思ったら、株式投資くらいしかないと思うんです。

 つまり、投資というのは誰にとっても人生を変えることができるものなんです。だから、投資を始めようかどうか迷っている人も、一度、本気で検討してみてほしいですね。

 そして投資のアドバイスとして、先ほど話した「半径4畳半で投資先を探す」ことに加えて、株価の変動にいちいち振り回されないように「資産形成中は鈍感であれ」、私の「ほっとけ投資」のような「『儲かる』を仕組み化しよう」、この3点を皆さんにお伝えしたいと思います。

──貴重なお話をありがとうございました。

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