長期保有で負けないための銘柄選び!4つのポイント

 2021年に話題となった『どん底サラリーマンが株式投資で2億円・いま息子に教えたいお金と投資の話』(ダイヤモンド社刊)の著者、DokGen(ドクゲン)さんインタビューの後編をお届けします。今回は、銘柄選びのポイントや注目銘柄についてお聞きしました。

DokGenさんインタビュー前編
DokGenさんインタビュー中編
DokGenさんインタビュー後編

銘柄選びのシンプルな4つの観点とは?

──中編では、IT関連銘柄の大株主になって再び2億円超えを達成した道のりをお伺いしました。この銘柄は今も保有しているのですか。

DokGenさん いえ、3年ほど前に売却しました。というのも、想定していた以上に株価が上がったんですね。

 その会社がどのように事業を広げ、どのように成長していくか、その結果、株価がどうなっていくか自分なりにストーリーを描いていたのですが、その枠に収まらなくなったんです。となると、この先どうなるかは予測がつかない。それで売却することにしました。

──株価が上がっている局面で売ることはなかなか難しそうですね。今は別の銘柄に投資しているのですか?

DokGenさん 以前、資産を減らした教訓から、自分が想定した成長ストーリーより上がりすぎると、暴落もあり得ると考えているからです。

 今は配当金目当ての銘柄も保有しているので、すべて合わせると8銘柄保有です。その中でメインは、ジーエルサイエンス(7705)名古屋電機工業(6797)近鉄エクスプレス(9375)の3つ。前の2つはIT関連銘柄を売ってすぐ、近鉄エクスプレスはコロナ・ショックの後に買いました。いずれも長期保有を考えています。

──そこで、お伺いしたいのですが、長期保有を前提に株を買うとなると、何より銘柄選びが大事になります。何を基準に選んでいるのですか。

DokGenさん 私の銘柄選びはきわめてシンプルな4つのポイントです。

「知っている会社」「小さい会社」「割安な会社」「おそらく倒産しない会社」という観点で、これらをすべて満たすなら、そんなに間違いはないと思っています。

──まずは知っている会社を選ぶことが大事ですか。

DokGenさん 自分がまったく知らない業種の会社や、何をしているのかもわからないような会社だと、事業報告書などを見てもちんぷんかんぷん。事業がうまくいっているのかどうか判断しにくい。

 その点、自分が働いている業種だったり、いつも使っている商品やサービスを扱っている会社だったら、その会社の状況をつかみやすい。そういう意味で、身近な会社、なじみのある会社に投資すべきだと思っています。

──『四季報』に名前が載ったIT関連会社もよく知る会社だったのですか?

DokGenさん もちろんです。今、保有しているジーエルサイエンスも昔から知っていました。名古屋電機工業と近鉄エクスプレスも私の地元である愛知県の会社なので、なじみがありました。

──次は「小さい会社」の観点について伺います。

DokGenさん 私は3~4年のスパンで、現時点の株価が割安と思える中小型銘柄をターゲットにしています。これは、時価総額が何千万円、何兆円という大型銘柄は10年待っても5倍になるとは考えにくいから。

 小型銘柄のほうが大きく稼げる可能性が高いんです。200億以下の銘柄を調べることが多いですね。ただ、最近は株価も上がったので、もう少し広げてみています。

──3つ目の「割安な会社」ですが。

DokGenさん これは誰も異論がないでしょう。これも決めているわけではありませんが、PER(株価収益率)は10倍くらい、PBR(株価純資産倍率)は1倍以下を目安にしています。

──最後は「おそらく倒産しない会社」ですね。

DokGenさん たとえ相場が悪化して株価が下がっても、会社が存続していれば再び上昇する可能性があります。しかし、倒産してしまったらアウトです。そういう意味ではこれが最も重要かもしれません。

──ご自身が「おそらく」とおっしゃるように「絶対、倒産しない会社」なんて存在しませんが、これはなかなか判断が難しそうです。何を基準に考えればいいのでしょうか。

DokGenさん 少し専門的な話になりますが、自己資本比率や利益剰余金といった数値を見れば、ある程度は判断できます。ただ、何より大事なのは、ビジネスモデルだと私は思います。

 なぜ企業が倒産するかといえば、基本的にはキャッシュが回らなくなるから。だから、例えば定期的に現金が入ってくるようなビジネスモデルの会社は、比較的、倒産しにくいといえるんです。

 私自身も投資を始めて10年くらいは勉強らしい勉強をしていなかったので、自戒の念を込めてですが、本気で株で稼ごうと思ったら、決算書が読めるくらいの知識を身に付けるべきですね。