FOMC後の市場の反応に対する警戒感が多少残る
もっとも、米11月CPI後の米主要3指数がそろって上昇したこと自体は、「ある程度のインフレやテーパリングの加速は織り込み済み」と受け止められ、FOMC後にイベント通過で株価が一段高となる展開を見込むシナリオが強まっているようにも感じられます。
ただし、NYダウは3万6,000ドル台、S&P500は4,700p、NASDAQは25日移動平均線といった具合に、節目でいったん上昇が止まっています。
FOMC後の株高期待を先取りするのであれば、これらの節目を余裕で突破してもおかしくはなかったのですが、そうなっていないのは、やはりFOMC後の市場の反応に対する警戒感が多少残っているからと考えるのが自然です。
実際に、過去のFRBの金融政策を振り返ると、2013年のテーパリングは約1年かけて行われましたが、前回(11月)のFOMCでは、その半分の半年の期間で行われることが発表されました。
そして今回はさらにその期間を短くすることが議論されるため、かなり早いペースアップになる可能性があります。
今回のFOMCの結果と、その後のパウエルFRB議長の記者会見の内容によっては、株式市場がネガティブ視する展開も一応想定しておく必要がありそうです。
そのため、今週はFOMCが、株高シナリオのスイッチとなるのか、それともシナリオ崩しのきっかけになるのかがカギを握ることになりそうです。