最初のハードルは200日移動平均線、次は25日移動平均線
ちなみに、先ほどの三角もちあいについて、一般的には、株価の上げ下げを5回以上繰り返すと、もちあいが形成されたと見なされます。8月20日を起点にすると、先週に見せた株価上昇が上値ラインにタッチすれば、ちょうど5回目となります。
そのためには、日経平均2万9,000円水準に密集している各移動平均線(200日・25日・75日)を上抜けする必要があります。
そのため、目先の日経平均のレンジを探る場合、これらの移動平均線との位置関係が意識されることになります。200日移動平均線を上抜けるかどうかが最初のハードル、次のハードルになるのは、デッド・クロスを達成した25日移動平均線です。
■(図2)日経平均25日移動平均線乖離率のボリンジャーバンド(2021年12月10日時点)
上の図2ですが、これまでのレポートでも何度か紹介した、日経平均の25日移動平均線乖離(かいり)率の推移をボリンジャーバンド化したものです。
先週末10日(金)時点の25日移動平均線乖離率はマイナス1.88%でした。
この日の25日移動平均線の値が2万8,983円でしたので、バンドの中心線(MA:マイナス0.47%)まで戻すと2万8,846円、プラス1σ(シグマ)のプラス2.16%まで戻すと、2万9,609円となり、目先の株価の戻りの目安として意識されそうです。もちろん、日々の値動きで値が変わってきます。
また、他に注意しておきたいのは、図2を過去にさかのぼると、乖離率がプラス3%で跳ね返される場面が多いことや、バンドの傾きがプラス2σからマイナス2σまでの5本の線ですべて下向きになっているため、下落してしまうシナリオも想定する必要があることです。