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石原 順
外為市場アウトルック
リーマンショックの影響による景気回復に向けた歳出の増大が、世界中で財政赤字の拡大を招いた。政治家は財政再建をしなければならず、その結果、景気対策は中央銀行に押し付けられることにな…

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2008/2/8
数社の海外ファンドの運用を担当する現役ファンドマネージャーとして活躍する石原順氏による外国為替市場レポート「外為市場アウトルック」。お客様の投資のヒントにお役立てください。
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相場は「買い」と「売り」、あるいは「利食い」と「損切り」だけのシンプルなゲームである。

読者の皆様がどのような投資判断で相場に参入されているかを筆者は知る由もないが、書店の経済や相場関係のコーナーにいくと相場で勝つためのハウツー本が山のように積まれているので、「相場で成功するノウハウ」の需要というのは大きいのであろう。

相場に対するアプローチの手法は、フィーリング(第六感?)、著名人の推奨、ファンダメンタルズ分析、テクニカル分析、自動売買などの数学的手法、果ては精神論にいたるまで本当にいろいろある。百花繚乱だが、これらはすべて相場を認識する(売りか買いかを判断する)問題解決プロセスであるということには変わりがないのである。

誰も相場を正確に予測することはできない。それは人間業ではないのである。相場で成功するのに普遍的な売買手法などはない。そのような手法が存在し皆がそれをやれば売買が成立しないからである。したがって、破産しないための取引ルールや規律は必要だが、基本的には各人が「自分にあった売買手法」を見つければよいと思われる。

相場のセミナー講師などをやると、必ず「○○は買いですか、売りですか」「○○はどこで買ったらよいですか」「儲かる売買手法を教えてください」という質問をされる。また、最近の個人投資家はよく勉強されていて、昨今流行のコンピュータを使った自動売買やポートフォリオ運用についての質問も多い。ちなみにシカゴのラサール街では、40品目以上の金融商品(株・債券・コモディティ等のインデックスや通貨など)を取引しないと自動売買で毎年継続的に収益を上げることはむずかしいと言われている。(例えば、ドル/円や日経平均などの単一商品のみを「ある手法」で売買しても毎年継続的に収益を上げることはむずかしいということ)

要するにいつの世も「絶対に儲かる方法はありませんか」という投資家のニーズが非常に強いのであるが、そのようなゴールデンルールはないのである。しかし、そんな話の終わり方では身も蓋もないので、筆者の取引手法の一つを紹介しておきたい。

第2回の連載でも触れたが、筆者が(英ポンドを除く)対ドルの主要通貨の売買で最も重視している指標は「20ヵ月移動平均線」である。(月足の終値が20ヵ月移動平均線を上抜けば「買い」、下抜けば「売り」という売買手法)

ドル/円(月足) 20ヵ月移動平均線と売買シグナル


(出所:石原順、ブルームバーグ)

ユーロ/ドル(月足) 20ヵ月移動平均線と売買シグナル


(出所:石原順、ブルームバーグ)

相場についていくといういわゆる順張り(トレンドフォロー)の手法では、筆者は基本的に上記の手法しか信頼していない。あまりに単純で拍子抜けするような取引手法だが、過去にいろいろ検証し、さんざん試行錯誤した結果なのである。シンプルでないトレンド解析手法は概ね取引成績が良くない。

世界の相場参入者の多くはデートレードやスウィングトレードといった短期から中期の取引者である。例えば移動平均線で取引する人は「5分~8時間」、「3 日~5日」、「9日~14日」、「20日~26日」といった時間枠(タイムフレーム)に取引人口が集中しているのである。このような時間帯は取引者の競合・競争が激しく安定的な収益を上げるのが比較的むずかしい。20ヵ月移動平均のような誰も取引していない長期の時間枠(タイムフレーム)で取引すれば、過当競争を避けることができる。金利差がとれる通貨ペアであれば長期間金利収入が得られるので金利収入効果も大きい。このような長期タームで取引できるという点で、個人投資家は時間的な制約の多い機関投資家に比べて優位性をもっているのである。

「20ヵ月移動平均線」を使った取引は筆者の過去の成功体験であり将来の収益性を保証するものではないが、今後の長期取引や相場の大局をみるうえで読者の皆様の参考になれば幸いである。

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