今日のレンジ予測

[本日のドル/円]

上値メドは115.05

下値メドは111.30
 

[インフレ] 中央銀行の最優先課題は、雇用よりもインフレ対策。タカ派政策への転換迫られる
[金融政策] ゼロ金利に近い世界では、中央銀行のフォワードガイダンスが主要な金融政策ツール

 30日(火曜)のドル/円は「下落」。高値113.89円、安値112.53円、1日の値幅1.36円。 

 この日は113.57円からスタート。東京時間午後に、「オミクロン変異株に対する既存のワクチン効果は低く、新しいワクチンの開発には数カ月必要」とのモデルナCEOの発言が報じられたことでリスクオフの円買いが強まると、113円を割り欧州時間に112.53円まで円高。パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長が29日(月曜)、「オミクロン変異株は米経済に下向きリスクをもたらす可能性がある」と懸念を示したこともドル売り材料でした。

 しかし、パウエル議長がこの日行われた議会証言で、インフレに関して「一時的という表現を使うことをやめる」と、インフレリスクをはっきり認めたうえ、今月のFOMC(米連邦公開市場委員会)で「緩和縮小の加速を議論する」と発言。これを受けてNY時間のドル/円は113.70円まで急反発しましたが、東京時間につけた113.89円には届きませんでした。

 しかし、早期利上げを嫌気したダウ平均株価が一時710ドル以上急落したため、リスクオフがドル/円の上昇を抑え、114円には届かず再び下落。 終値は113.14円(前日比▲0.41円)

 パウエルFRB議長が利上げ前倒しについて強く否定しなかったことは驚きでした。マーケットはすでに、「来年3月に緩和縮小完了、その直後から利上げ開始」を織り込みはじめています。もっとも、現時点ではまだ不明点が多い、オミクロン変異株の感染拡大の程度や重症度によっては、パウエルFRB議長の発言内容が180度転換するリスクもあります。

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成

主要指標 終値

出所:楽天証券作成