5社の利益率・自己資本比率・時価総額

 投資の参考銘柄にあげた5社の減配リスクを判断する上で、参考となるデータを見てみます。

5社の営業利益率・自己資本比率・時価総額

コード 銘柄名 営業利益率:今期予想 自己資本比率 時価総額:億円 最小投資金額:円
2914 日本たばこ産業 21.0% 46.9% 4兆5,470 227,350
1605 INPEX 48.2% 59.0% 1兆3,701 93,700
3405 クラレ 11.4% 47.4% 3,350 94,400
6464 ツバキ・ナカシマ 10.3% 34.2% 569 137,000
5108 ブリヂストン 10.8% 51.3% 3兆2,865 460,500
出所:各社決算資料より楽天証券経済研究所が作成。営業利益率は今期連結会社予想ベース。最小投資金額は、11月30日の株価で最小投資単位100株を買うのに必要な金額

  営業利益率は、日本企業の平均が7~9%程度なので、それと比較していずれも高めといえます。特に、日本たばこ産業INPEXの高さが目立ちます。いずれも参入障壁の高い事業を行っていることが高利益率につながっています。

 INPEXは、長い年月をかけて築き上げてきた海底ガス田からのLNG供給インフラが、他社にマネできない差別化となっています。日本たばこ産業については、レポート末尾に導線をつけている10月13日のレポートを参照してください。

 クラレは、ビニロン・ポバール・エバ―ル・クラリーノなど独自色ある機能材料を開発して成長してきた企業です。現在は液晶向け光学用フィルムで世界シェア8割を握る強みを生かして高い利益率を稼いでいます。近年、光学用フィルムの利益率は低下傾向ですが、将来の成長の種として、活性炭事業・イソプレン事業など成長が期待されるビジネスを有しています。

 ツバキ・ナカシマは、精密ボール・精密ローラーなど、精密部品で他社が追随できない差別化された技術力を有します。工作機械・産業用ロボット・高度医療機器などの最終製品の性能を左右する重要部品です。用途別に細かくカスタマイズされた製品を、世界12カ国20工場から世界中に短納期で供給する生産網を構築しており、その差別化された競争力が高利益率につながっています。

 ブリヂストンは、高機能タイヤで世界トップクラスの競争力を有します。低燃費・耐久性・安全性ですぐれたブリヂストンは、米国で高いブランド力を有し、米国で高い利益を稼いでいます。新車用タイヤの利益は不安定ですが、更新用タイヤで高い利益率を得ています。世界の自動車保有台数が拡大するにつれ、タイヤの更新需要が安定的に伸びることが、ブリヂストンの収益基盤を支えます。なお、ガソリン車が電気自動車に置き換わると不要になる自動車部品がいろいろありますが、タイヤは電気自動車でも重要なパーツです。