2022年に向けた業績動向と株価見通し
上述した金利見通しに加え、米国株式が「金融相場(流動性相場)」から「業績相場」に移行しつつあるとの見方も有力です。
実際、2020年春をボトムにした米経済見通しや業績見通しは改善傾向です。民間エコノミスト予測(市場予想平均)によると、2020年に▲3.5%だった米国の実質GDP(国内総生産)の伸びは、2021年に+5.5%、2022年に+3.9%と見込まれています。
2020年春以降の金融緩和、財政出動、ワクチン接種の効果を受け、景気回復は製造業や非製造(サービス業)に幅広く及ぶと予想されています。経済活動の正常化を受け、業績見通しは拡大傾向を辿っています。
図表4は、S&P500種指数ベースの12カ月先予想EPS(1株当たり利益:市場予想平均)の推移を示したものです。
予想EPSは2020年前半に大きく落ち込みましたが、その後は景況感とガイダンス(業績見通し)の改善が進み、最新の予想EPSは214.87と過去最高益を更新。前年同期(12カ月累計実績)比では+17.9%の増益が見込まれています。
今後も短期的な需給の乱れに応じ、株式が一時的に下落する可能性は否定できません。ただ、米国株式が「株価は業績」との格言に象徴される、業績相場のステージに移行しつつあると考え、S&P500種指数が2022年末までに5,000ポイントに到達するとの見通しに変わりはありません。
米国株が下落した場面については、押し目買いや積み増し買いに分がありと判断しています。
図表4:米国市場の業績見通しは改善傾向
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