今日の為替トレッキング

今日の一言

人生はその人の持つ勇気の量に応じて、広がりもするし縮んだりもする

Higher Love

 FOMC(米連邦公開市場委員会)は11月の会合で、量的緩和の規模を段階的に縮小することを発表しました。FRBはこれまで国債と住宅ローン関連の証券を合わせて毎月1,200億ドル(約13兆円)を超える規模で買い入れて市場に大量の資金を供給してきました。これを11月から毎月、米国債を100億ドル、住宅ローン担保証券を50億ドルで150億ドル縮小することを決定。順調にいけば、2022年半ばに量的緩和が終了する見通しになります。米国のコロナ感染拡大から1年8カ月を経て、FRBの金融政策は大きな転換の節目を迎えることになりました。

 緩和縮小は、金融政策の方向としてはタカ派的だといえますが、米国のインフレ状況を考えると、FRBの行動はまだハト派だというのが評価です。なぜなら、カナダ銀行やRBNZ(NZ準備銀行)のようにインフレ上昇を抑制するために利上げする、あるいは利上げに向けたガイダンスを示すことはなく、一時的に2%を超えるインフレ率を容認するという、あくまでもAIF(平均物価目標)の枠組みに基づいた政策運営の継続にすぎなかったからです。

 FOMCは今回、新型コロナウイルスの危機対応として始めた「ゼロ金利」と「量的緩和」の2つの金融緩和策のうち、量的緩和の終了は決定しました。マーケットの関心は、必然的に、残るひとつに集中しています。つまり、「ゼロ金利」解除、すなわち利上げはいつかということです。

出所:楽天証券作成