(3)株、ETF、J-REITの買い入れ

日銀の株、ETF、J-REITの保有額の推移(月次)

出所:日本銀行 営業毎旬報告データを基に、マネーブレインが作成

 日銀は2021年3月にETFなどの買い入れについて、「市場が大きく不安定化した場合に、大規模な買い入れを行うことが効果的である」との見直しを行いました。

 これに伴い、2021年2月まではTOPIX(東証株価指数)が前場において0.5%以上下落したら買い入れをしていましたが、3月には1%以上、4月以降は2%以上下落した場合に買い入れをしています。

 このことにより、3月までに比べると4月以降は買い入れの頻度が減り、事実上のテーパリングの状態となっています。

 実際に日経平均株価の動きを考えてみても、日経225ETFも対象として日銀が積極的に買い入れをしていた2021年2月にかけて、日経平均株価は大きく上昇してきましたが、4月以降、企業業績は良好ななか、もたついている印象があります。

 株価の動きは日銀によるものだけでは当然ながらありませんが、ETFの買い入れが小さくないレベルで影響しているようにも見えます。

(4)金融機関への貸付金

日銀の貸付金の推移(月次)

出所:日本銀行 営業毎旬報告データを基に、マネーブレインが作成

 金融機関への貸付金については、新型コロナウイルス感染症対応金融支援として、金利0%で貸し付けており、その残高は足もとにおいても増えている状況にあります。

 ただし、増加ペースは、コロナウイルス感染症拡大が当初騒がれた2020年3月から9月にかけては大きく増加しましたが、その後の増加ペースは緩やかになっており、事実上のテーパリング状態となっています。