(1)日本国債の買い入れ
日銀の国債保有残高の推移(月次)
日銀は2020年4月の金融政策決定会合において、長期金利については、「10年物国債金利がゼロ%程度で推移するよう、上限を設けず必要な金額の長期国債の買い入れを行う」という操作方針のもと、変動幅は±0.25%程度になるようにコントロールしています。
それまでは、「保有残高の増加額年間約80兆円をめどとしつつ」と明確に額を定めていましたが、「必要な金額の買い入れを行う」と変更しました。
このことにより、グラフを見ていただくとお分かりのように、2020年8月以降は、増加ペースを段階的に減らしていくテーパリングどころか、それを通り越して、残高を保っている状態となっています。
(2)コマーシャルペーパーおよび社債などの買い入れ
日銀のコマーシャルペーパーおよび社債などの保有額の推移(月次)
コマーシャルペーパーや社債においては、金額はそれほど大きくはないですが、現在でも買い入れていて、残高を増やしています。
ただし、コロナウイルス感染症拡大が当初騒がれた2020年4月から8月にかけては積極的に買い入れがされてきましたが、それ以降は徐々に買い入れのペースが落ちており(月によっては減少することも)、事実上のテーパリング状態となっています。