日米の決算発表に期待。週末の衆議院選、来週FOMCまで様子見!?

 今週、国内ではいよいよ3月決算企業の中間期決算発表が本格スタートします。

 26日(火)には電気自動車のモーター需要で好調な日本電産(6594)。27日(水)には中国関連の筆頭株といえる工場自動化のファナック(6954)。28日(木)には人気株で相場に影響を与えやすいソニーグループ(6758)、コロナ禍の影響が心配なJR東日本(9020)などの発表が予定されています。

 383社の決算が集中する29日(金)には、相場のけん引役である海運株の商船三井(9104)、業績・株価ともに絶好調の半導体関連株レーザーテック(6920)などが決算発表を行います。

 一連の決算発表で、輸出企業を中心に「日本企業の業績もそれほど悪くない」となれば、日本株の弱かった先週の嫌な流れを払拭(ふっしょく)できるかもしれません。

 米国でも25日(月)のフェイスブック(FB)、26日(火)のアルファベット(グーグルの親会社・GOOG)マイクロソフト(MSFT)、28日(木)のアップル(AAPL)アマゾン・ドット・コム(AMZN)というGAFAM5社が相次いで決算発表を行います。

 米国の第3四半期決算発表では、先陣を切った金融関連企業の好業績が米国株の反転上昇につながりました。今週の決算ウィークでも、GAFAMの決算内容次第では、その組み入れ比率の高いS&P500やナスダック指数がNYダウに続いて史上最高値を更新する可能性もありそうです。

 28日(木)には7-9月期の米国GDPの速報値が発表予定。コロナ禍からの経済再開が活発化した時期のため、年率換算で前年同期比6.7%増の高い伸びが予想されています。米国GDPが物価高や労働力不足を乗り越えて力強く伸びれば、日本株にとっても追い風になるでしょう。

 29日(金)には、米国の物価動向がわかる9月のPCEデフレーター(個人消費支出の価格指数)も発表。翌週11月2~3日はいよいよ米国の金融政策を決めるFOMC(米連邦公開市場委員会)が開催され、量的緩和の縮小(テーパリング)の開始時期が判明します。インフレの動向はその決定に強い影響力を持つので、直前発表のPCEデフレーターに注目が集まりそうです。

 週末に控える衆議院選挙では、自民党の議席減の予測が株価の不安要素になるでしょう。29日(金)には中国恒大集団の新たなドル建て債券の利払い最終期限も迫っているので、週後半には株価が不安定な動きになるかもしれません。

 総選挙とFOMCを来週に控え、今週の日本株は様子見の下値固めが続きそうです。ただし、恒大集団の利払い問題が一時的に後退し、日本の輸出業や米GAFAMの決算発表で流れが変われば、日経平均株価が高値の壁2万9,500円突破に向かう展開も考えられます。