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著者の窪田真之が解説しています。以下のリンクよりご視聴ください。
「 [動画で解説]【日本株】NYダウ最高値 恒大・金利上昇無視?日経平均、どうなる?」
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米景気・企業業績好調を再確認、日米で株が上昇
先週(10月18~22日)の日経平均株価は1週間で263円下落し、2万8,804円となりました。強弱材料が拮抗し、上下とも大きくは動きにくい展開でした。これから本格化する7-9月決算発表を見極めたいとのムードも強まりました。
【強材料】
・米国の景気・企業業績が好調、NYダウ(ダウ工業株30種平均)が最高値を更新。
・非常事態宣言解除後の日本の消費回復期待。
【悪材料】
・恒大問題、中国景気悪化懸念。
・世界的なインフレリスク、米長期金利の上昇。
過去1年の日経平均の動きを振り返ります。
日経平均週足:2020年10月6日~2021年10月15日
【1】2020年11月~2021年2月:世界株高
昨年11月より、米国・中国を中心に世界景気の回復が鮮明になってきたことを好感して、世界的株高となり、日経平均も外国人投資家の買いで大きく上昇しました。
【2】2021年3~8月:日本の不安で下落
ワクチン普及の遅れで緊急事態宣言が解除できない日本の消費停滞が続く懸念、菅元首相のもとで自民党が衆院選に大敗する懸念から日本株が独歩安となりました。米景気過熱の不安、中国景気減速の不安もありましたが、この時点で米国株の最高値更新が続き、日本株の独歩安となっていたことを考えると、日本の要因が日経平均下落の主因だったと考えられます。
【3】2021年8月末~9月:日本の不安低下で急反発
菅内閣退陣により、新しく選ばれる総裁のもとで自民党が衆院選を乗り切り、大型経済対策を発動する期待と、ワクチン普及が急速に進んだ効果による経済再開期待から日経平均は急反発しました。米国株が調整し始める中での日本株の独歩高でした。
【4】2021年9月27日~10月8日:中国・米国の不安から急落
中国恒大が破綻する不安、米債務上限問題に対する不安などから、日経平均は急反落しました。
【5】2021年10月11~22日:米国の不安が緩和し反発
米国景気・企業業績が好調であることを再確認、米景気が過熱する不安も低下し、NYダウが最高値を再び更新。それを受けて、日経平均も反発。
次に、2021年の日経平均とNYダウの動きを比較します。
日経平均とNYダウの動き比較:2020年10月1日~2021年10月22日
米国の景気と企業業績が好調でNYダウが最高値を更新していることが、日本株にとって最大の支援材料です。それでも、2つの不安があって日経平均はボックス圏を抜け出せていません。1つは中国恒大の不安。中国経済とのつながりが深い日本経済に、マイナス影響が及ぶ可能性が懸念されています。
もう1つは、岸田政権が打ち出している政策への不安です。伝統的な自民党の政策とやや力点が異なり、所得再分配を前面に押し出しています。資本主義の構造改革や成長戦略を重視してきた、伝統的な自民党と軸足がずれている可能性がある点から、外国人投資家の買いを呼び込みにくくなっている面があります。