中国不安を株式市場は無視?

 米国の景気と株式市場が好調で、日本の消費にも回復期待があることから、日経平均の下値は堅くなってきています。

 一方、中国恒大が破綻する懸念は徐々に高まっています。中国政府が意図的に不動産バブルを崩しにいっていると見える行動をとっていることから、「何らかの軟着陸を用意しているのではないか」と根拠なき楽観が広がっているとも言えます。中国恒大を原因とするショック安が今後起こる可能性については、十分な注意が必要です。

 ただし、それでも米景気が好調である限り、来年も世界および日本の景気回復が続くとの見方は変更する必要がないと考えています。恒大問題で下がる時は、日本株押し目買いの好機になると考えています。

米長期金利の上昇にも注意が必要

 資源価格上昇と、米インフレが長期化していることを背景に、米長期金利が上昇しています。米景気が好調だから金利が上がる「良い金利上昇」の面と、資源価格の想定以上の上昇によるコスト・プッシュ・インフレを背景とした「悪い金利上昇」の両面があります。

 今のところ、米国株は金利上昇を無視して上昇している形となっていますが、先行き、改めて金利上昇を嫌気した下落局面が起こる可能性には注意が必要です。

米長期(10年)金利の動き:2020年1月2日~2021年10月15日

出所:QUICKより作成