新型コロナは与野党ともに影響。注目すべきコロナ対策関連銘柄は?
与野党ともに気がかりなのはコロナ禍です。新規感染者が激減する一方、緊急事態宣言解除後の人出の回復は著しく、流行再燃の危険と隣り合わせです。
選挙期間に感染者が増えれば自民党にとって大きな逆風になりますが、さらに候補者が選挙戦の最中に感染して自宅療養や入院となれば、大きなダメージを受ける点では与党も野党も同じです。
各種世論調査でも、投票の際に重視する項目としてコロナ対策が上位に顔を出しています。
第6波の備えで注目される銘柄は?
岸田首相は衆院解散を午後に控えた14日朝にも新型コロナ対策分科会の尾身茂会長と面談しています。尾身会長は、岸田首相が説明した政府の対策には、医療の供給体制強化や気楽に検査を受けられるシステムづくりなどが盛り込まれていたことを明かしています。
このため、今冬にも予想される流行第6波に備えて、検査体制の強化や人工呼吸器の確保が急がれます。
人工呼吸器メーカーではECMO(エクモ=体外式膜型人工肺)を手掛けるテルモ(4543)を筆頭に旭化成(3407)や日本光電(6849)、星医療酸器(7634)が注目されます。医師や看護師の確保には、医療人材紹介のエス・エム・エス(2175)、メドレー(4480)、MRT(6034)の出番です。
「Go To トラベル」再開で中小型銘柄にも注目
一方、岸田首相は観光支援策「Go To トラベル」の早期再開に意欲を見せています。売り上げが「蒸発」してしまったホテル・旅館業、鉄道や航空会社だけでなく観光地全体の地域振興につながるためです。
菅義偉・前首相もGo To に熱心でしたが、大手ホテルの週末利用に需要が集中した反省があり、人流の活発化が感染再拡大の一因になったとの疑念もあります。そこで岸田氏はワクチン接種証明や陰性証明を組み合わせ、「平日」「中小零細施設」の利用を手厚くバックアップする意向を明らかにしています。
旅行関連では、JAL(9201)やJR東日本(9020)といった主力銘柄だけでなく、航空券などのネット販売のエアトリ(6191)、旅工房(6548)などは中小型銘柄特有の軽い値動きを期待したいところです。
ワクチン接種関連で注目の3銘柄
政府・厚生労働省は12月の第3回接種開始を目標に、各都道府県へのワクチン配布計画をまとめています。ダイレクトメール首位のディーエムエス(9782)など小型銘柄の値動きに注目です。接種済みを証明するワクチンパスポートの30カ国語対応サービスを提供する勤次郎(4013)、ワクチンパスポートに必要なマイナンバーカードなどで実績のあるITbookホールディングス(1447)も投資家の関心を呼ぶでしょう。