米国・配当貴族指数のパフォーマンスに注目

 株式市場が調整しているなか、米国の「配当貴族指数」の長期的なパフォーマンス優勢に注目したいと思います。配当貴族指数とは、S&P500指数構成銘柄のうち「25年以上連続して配当を増やし続けてきた銘柄群」(現在は67銘柄)で構成されています。

 図表2は、2000年初を100とした配当貴族指数、米国市場平均(S&P500指数)、日本市場平均(TOPIX)の総収益指数(配当込みトータルリターンインデックス)の推移を比較したものです。配当貴族指数の総収益指数は954.2となっており、S&P500指数やTOPIXの総収益指数に対し優勢を鮮明にしています。

 2000年以降の約21年の間には、米国景気が後退や停滞に陥ったことが幾度かありました。2020年春もパンデミック危機で景気を巡る不透明感が強まった時期でした。

 図表2は、「経営環境が一時的に悪化しても毎年(毎期)着実に配当を増やし続けてきた企業群」が市場で相対的に評価されてきたことを示しています。今後も市場は、「配当を切れ目なく増やし続ける企業」を「株主を重視した経営を実践している企業」として評価し続けると考えられます。

図表2:米国・配当貴族指数の長期トータルリターンは優勢

*各種のトータルリターン指数(配当込み総収益指数)を比較 出所:Bloombergより楽天証券経済研究所作成(2000年-2021年9月17日)