投資中の「不況でワクワク」とは?

「人生のやりたいことリスト」でモチベーションを維持しつつ、1億円達成までの10年間は、資産を大きく減らした時期もあり、決して順風満帆だったわけではない。ただ、それを乗り越えられる読みがあった。

 井上氏が投資を始めてすぐの2007年は、リーマン・ショックが起こる1年前で、サブプライムローン問題が騒がれていたときだった。

「ニュースでは毎日のように『デフレスパイラル』とか『金融危機』とか『未曾有の出来事』と言われていて、僕の資産額もしっかり減っていました。でも積立運用をしている僕としては、この時期は同じ積立額でもたくさんの口数が購入できる『バーゲンセール中』みたいな感覚だったので、不景気の後にいつか必ずくるはずの好景気を楽しみに待っていました。僕にとって『不景気』や『○○ショック』というのは、資産構築の上では、ワクワクワードなんです」

 その読み通り、「いつか必ずくるはずの好景気」はやってきた。2012年までに700万円積み立てていた投資信託の評価額は550万円に下落したが、「同じ積立額でもたくさんの口数が購入できるバーゲンセール中みたいな感覚」でパニック売りに走ることなく、2013年には評価額は2,200万円まで上がった。「そのおかげで、この方法が2050年までは使えるという確信に変わりました」。