3:運用成績の指標で重視すべきは、騰落率よりもシャープレシオである

解答

「シャープレシオ」とは、取ったリスクに対してどれだけリターンをあげることができたかを表した数値です。「リスク控除後リターン」とも呼ばれます。この数値が大きくなるほど、「低いリスクで高いリターンが得られる運用効率がよい投資信託」ということになります。

 騰落率よりもシャープレシオを重視すべき理由は簡単です。運用成績に含まれる「偶然」や「まぐれ」の要素を見極めるのに適当だからです。単純な騰落率だけだと、例えば上昇相場で「げたを履かせてもらっていた」かどうかなどの見極めができないのです。可能であれば、シャープレシオは「5年」、短くても「3年」を参照するようにしましょう。

 優秀な運用担当者というのは、市場のリスクをいち早く察知し、運用する商品に悪影響が出ないよう、うまくかじ取りができます。特に近年は、プロの投資家も予期できない、困難な相場環境が続いたため、より運用担当者のリスクコントロールの手腕が問われるようになっています。

 以上をまとめると、投資信託のスクリーニングの順番は、あくまでもリスク控除後のリターンを優先し、そのあとに残高の水準や償還までの年数を見る、とした方がよいでしょう。