2:償還までの年数は長ければ長いほどよい

解答

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 投資信託の償還とは、投資信託の運用を終了し、資産の清算を行って、償還日とした時点の保有者に対して、保有している口数に応じたお金を返還することをいいます。

 償還には、あらかじめ設定されていた期限で償還される「満期償還」と、この期限から前倒しで償還される「繰上償還」の2種類があります。いずれも、投資信託の運用が強制的に終了してしまうので、特に積み立てなど長期の資産形成を目的としている場合、なるべく償還されそうな投資信託は避けたいところです。

 償還までの年数(信託期間)をスクリーニングの条件とするかどうかについては、見解が分かれるところですが、筆者は必須の条件とは思っていません。なぜなら、信託期間は運用会社の判断で変更されることがあるためです。

 償還日が「無期限」となっている投資信託でも、運用会社の判断によって繰上償還されることがある一方、償還日が決まっている投資信託で運用期間が延長されることもあります。残高の積み上げに時間がかかったものや、償還日が近づくにつれて人気が出てきたものだと、現時点の残高が小粒でも延長されることが多々あります。

 もうお気づきの方もいらっしゃるでしょう。ここでもやはり、純資産残高の推移が関係してくるのです。つまり、残高が継続的に「増え続けている」商品は、信託期間が延長される可能性が極めて高いのです。

 信託期間の他、先述した純資産残高の水準をスクリーニングの最初の条件にしてしまうと、肝心の運用成績が秀でた投資信託を見落としてしまうことになります。信託期間と現時点の残高は、あくまでも副次的な要素として参考程度に見た方がよいでしょう。