1:純資産残高はなるべく大きい方がよい

解答

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 純資産残高は、必ずしも大きければ大きいほどよいというわけではありません。なぜなら、スムーズな運用ができる規模は投資対象によって異なるためです。また、投資している資産によっては、残高を小規模にせざるを得ないケースもあります。時価総額が小さく、流動性に制約のある中小型株、新興市場株などがその代表例です。

 ファンドによっては、純資産残高の限度額が数十億円程度に設定されているものもあります。したがって、最初から純資産残高の水準でスクリーニングを行うことはあまりおすすめしません。

 純資産残高の適正な水準は、ファンドの運用体制によって異なるため一概には言えませんが、おおむね数百億円から数千億円の間であれば問題ないと考えてよいでしょう。

 純資産残高で見るべきポイントは、規模よりも推移です。例えば、100億円以下の残高であっても、少しずつ増加しているなら問題はないでしょう。

 逆に、数千億円程度あった残高が、短い期間に急減している、あるいは、元々数百億円程度だった残高がじわりじわり減少している、というような場合は注視する必要があります。急速な資金流出によって、運用に支障が出る可能性も考えられるためです。